アンテックのPCケースは、シンプルかつ長く使っても飽きがこないのが特徴だ。特に「P180」シリーズや、「SOLO」、「NINE HUNDRED」シリーズは、自作ユーザーから高い支持を得ている。
全国のショップで集計される実売データをもとに年間販売台数第1位のベンダーを表彰する「BCN AWARD」に、アンテックのPCケースは2008年以降4年連続で最優秀賞に輝いているのがその証拠だ。
今回はそのなかから、発売予定の「SOLO II」の製品サンプルと、定番製品の改良モデル「P183 V3」を紹介しよう。
SOLO II
●発売日:8月末発売予定
●実売価格:未定
人気静音ケースの後継モデルがついに登場
SOLO IIは、さまざまな振動防止の工夫を搭載し、静音PC向けケースとして特化した「SOLO」の後継モデルとなる製品である。一見すると前モデルとあまりかわらない外観であるが、外装だけでなく内装もブラックで統一されるなどの変更が加えられている。
フロントファンは120mm角が搭載可能に
カラーリングは光沢のあるピアノブラック。フロント部分に吸気口がないSOLOの特徴はそのままSOLO IIに継承されており、吸気はフロントカバーのサイドにある吸気口から取り入れられる仕組みだ。これもなるべく音が漏れないようにという、静音のためのものである。
サイドパネルは内部ノイズを遮音するためにポリカーボネートを張り合わせた二層構造になっており、サイドダクトは搭載されていない。前モデルのSOLOは内部塗装が施されていなかったためポリカーボネート部分が不自然に目立っていたが、SOLO IIではブラック塗装に溶け込んでいるため、パッと見では二層になっていることに気がつかない。
ケース内部は電源ユニットを上部に置くスタンダードな作り。電源ユニット設置部分には通気口があり、ファンの位置が合う電源ユニットなら天地逆にすることで、外気で直接電源ユニットを冷却できる仕組みだ。冷却ファンは、アンテック製120mm角ファン「TrueQuiet120」をリアに1基搭載している。さらにフロントに120mm角ファンを2基増設可能だ。
防振ゴムに加え防振ベルトをベイに追加
SOLOシリーズといえば、もっとも気になるのは静音性だ。アンテックの3.5インチシャドウベイのトレイは、トレイとHDDの間に振動防止シリコンゴムグロメットをはさみ、HDD底面からネジで固定する仕組みを採用している。
このSOLO IIでもそれが採用されているが、これに加え伸縮性のあるゴムベルトが設置されている。このベルトにHDDをつり下げてネジ止めせずに使うもよし、ネジ止めとベルトを併用してガッチリと固定するもよしと、ユーザーの好みに合わせたHDD設置が可能になっている。
ただ、このような凝った作りのため3.5インチシャドウベイは3つしかなく、最上段のベイにはベルトが搭載されていない。また、5インチオープンベイも2つのみと、最近のケースとしてはベイの数がかなり少なめだ。ただ、オープンベイを増やすと開口部も増え、それだけ騒音が外に漏れやすくなるので、これは静音ケースというコンセプトに沿った正しい設計とも言える。
前モデルから大幅な変更点は少なく、マイナーチェンジモデルという印象を受けた。ただ、防振ベルトとフロントファンの口径アップは、静音ユーザーにとってうれしいポイントである。静音向けとして新たな定番モデルとなるだろう。
※:本記事のSOLO IIは、試作サンプルになります。製品版とは仕様が異なる場合がございますのでご了承ください。
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