10月12日、フライトシステムコンサルティングはiPhoneによるクレジットカード決済ソリューション「ペイメント・マイスター」の発表会を開催した。iPhoneに専用のカードリーダーを接続する製品で、決済システムは三菱UFJニコスが提供。AIGエジソン生命保険が導入を決定しているという。
米国のアップルストアが採用するInfinite Peripheralの製品など、iPhoneを利用したカード決済にはいくつかの製品が登場している。この中で、フライトシステムコンサルティングのペイメント・マイスターは、同社が開発したiPhone用アプリケーションに、米国のベンチャー企業「モフィー(mophie)」のクレジットカードリーダー付き専用ケース「Marketplace」を組み合わせた方式を採用する。
おもなターゲットは、保険外交員やケータリング事業者、化粧品の訪問販売、家電の訪問修理など。三菱UFJニコスの決済システム「EC決済ソリューション」との連携により、取引状態の照会や売り上げ集計、結果表示などは専用のWebサイト上で確認が行なえる。また、ペイメント・マイスターのアプリケーション側にも、決済手続き時に、
- 契約書番号
- 担当者コード
- エリアコード
などを付与する機能、当日であればiPhone上で決済のキャンセルを行なう機能なども搭載する。これらの機能により、単なる決済端末ではなく、決済と売上を関連させて集計するといったことが可能になる。
クレジットカード決済には重要となるセキュリティ関連の機能だが、キーマネージメント方式にはPCI DSSに準拠したセキュリティ規格「DUKPT(Derived Unique Key Per Transaction)」を採用する。これは、ANSIで規格された暗号化方式で、米国のデビットカード決済でも利用されているという。
初回起動時に、各端末(iPhone)にそれぞれ異なる電子証明書(デバイス証明書)が、三菱UFJニコスが運営するサーバーからダウンロードされ、決済時にはこれを使って認証を行なう。万が一端末を紛失した場合は、証明書を無効化することで、利用を禁止できる。
加えて、端末にはクレジットカード番号などの個人情報は保存せず、顧客情報を照会することもできないため、盗難端末から個人情報を抽出される危険もない。
価格は、100台注文時で1台あたり約4万円。ほかに、月額費用が必要となる。なお、支払い先は三菱UFJニコスとなる。
現在対応するカードブランドは、VISA、MasterCard、ダイナースクラブ、アメリカン・エキスプレスの4種類。JCBについては個別対応で、ペイメント・マイスターの導入を表明しているAIGエジソン生命保険の場合は、対応済みだという。
また今後は、iPhone 4やICチップ付きクレジットカード、日本でも対応店舗が増えつつある、中国の銀聯カードへの対応も予定しているという。
初出時、製品名を誤って記載していました。お詫びし、訂正させていただきます。(2010年10月13日)