9月28日、ブロケード コミュニケーションズ システムズ(以下、ブロケード)はサービスプロバイダ、データセンター向けのハイエンドルーター「Brocade MLXeコア・ルータ」、100GbEブレードを発表した。パフォーマンスやキャパシティ、価格性能費など他社製品との比較が強調された。
100GbEのパワーを活かすシャーシ型ルーター
発表会においてブロケード コミュニケーションズ システムズ SPテクニカルエンゲージメント本部 本部長 村田眞人氏は「インターネットのコモディティトラフィックが98%を占め、年々増加している一方、収益レベルは急激に落ち込んでいる」と通信事業者の収益構造について解説。こうしたなか、ネットワーク性能の増大を低価格に実現しつつ、複雑性を軽減するという要求を満たすのが今回発表したBrocade MLXeや100GbEブレードだ。
Brocade MLXeは同社のMLXルーターのシャーシ型モデルで、バックプレーンは15.36Tbps、480Gbpsのハーフスロット容量など、従来に比べて2倍のキャパシティを誇る。また、性能面でも他社比の5倍となる48億パケット/秒のIPv6フォワーディング性能を持っている。OSにおいては上流スイッチに対しての冗長リンクをすべてアクティブで扱えるマルチシャーシ・トランキング(MCT)の機能を新たにサポート。「他社ルーターに比べて4倍の100GbEポート密度を、8分の1の価格で提供します」。製品としては4/8/16/32のスロットを持つ4モデルが用意されており、出荷はすでに開始している。
また、あわせて100GbEモジュールも投入された。1つのモジュールで100GbEを2ポートを搭載。シャーシあたり最大また32個の100GbEポートを搭載でき、フル100GbEのパケットプロセッサにより、ワイヤスピードでの転送が可能になっている。MPLSやIPv6、アドバンストルーティングなどの機能を実現するほか、MLXeのほか、MLX、XMRなどの他のシャーシ型製品にも対応する。出荷は2011年の上半期となっている。
さらに業界初を謳うSANのIPネットワークの統合管理ツール「Brocade Network Advisor」も発表された。自社製品のみではなく、SMI-S、Web Services、NETCONF、SNMPなど業界標準のAPIをサポートするほか、ヴイエムウェアやマイクロソフトのハイパーバイザー向けのプラグインも提供される。2010年11月に出荷される予定。
既存のMLXルータとの差別化としては、「100GbEのキャパシティをフルに活かしたい、ポート密度を高めたいお客様はMLXeを選択していただきたい」と語った。