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Apple Geeks 第6回

こんなところでも使えるMacのターミナルコマンド

2010年09月07日 12時00分更新

文● 海上忍

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こんなのはどう? 使って便利なサードーパーティー製ツール

 手に馴染むコマンド実行環境といっても、おいそれとFinderに自力で追加できるわけもなく、サードーパーティー製ツールを物色することにした。アレコレ思い悩むことしばし、3つのツールをピックアップしてみたので、一度試してみてほしい。

Filter through Shell Command

 Snow Leopardでは「サービス」が強化され、Automatorワークフローをサービスプロバイダ(サービス経由で機能を提供するプログラム)として利用できるようになった。この機能を用いて開発された「Filter through Shell Command」は、ZIPファイル(Filter-through-Shell-Command.zip)を展開してできたファイル(Filter through Shell Command.workflow)をホーム:ライブラリ:Services(/Users/<ユーザー名>/Library/Services)フォルダーへコピー後、再ログインするとサービスメニューに現われる。

工夫次第でEmacsの「C-u M-!」ライクに使えるサービスプロバイダ「Filter through Shell Command」

 その機能を利用するには、テキストエディットなどサービス対応のアプリケーションで作業対象となる文字列を選択しておき、メニューバーから[サービス] - [Filter through Shell Command]を実行する。そして現われたダイアログに、sedやawk、sortといった標準入力経由で受け取ったデータを処理して標準出力へ書き出すコマンドを入力すれば準備は完了。文字列の置換や抽出、アルファベット順での並べ替えといった処理が簡単に行なえるようになる。

 コマンドの実行結果を挿入する目的にも使用できる。たとえば、上書きしてかまわないダミーの文字列を選択しておき、ダイアログで「echo '1 + 2 + 3' | bc」と入力すれば、計算結果の「6」がテキストエディットに入力される。Emacsの「C-u M-!」ライクに使えるので、試してみよう。

Path Finder

 タブブラウジングに対応、さらにはテキストエディタとしての機能を装備するなど、Finderを超える多機能さを誇るシェアウェア「Path Finder」。現行バージョンのPath Finder 5では、Leopard/Snow Leopardに対応しCoverFlowなど最新機能を取り入れつつ、ファイルのカット&ペーストが可能になるなど操作性が改善されている。

 UNIXコマンド関連の機能としては、コンテキストメニューに用意された「ターミナルに開く」が挙げられる。フォルダー階層の奥深くをブラウジングしているとき、UNIXコマンドで作業する必要が生じたとしても、いちいちcdコマンドを実行せずに済む(同種の目的のものとしては「cdto」もある)。なお、ウィンドーとして開くほうのPath Finder内蔵ターミナルは、デフォルトのエンコーディング形式が「欧米(ASCII)」となっているため、利用する場合は[Settings] - [Configuration]画面のセッションタブで「Unicode(UTF-8)」に変更しておこう。

内蔵のターミナルエミュレータと連携してUNIXコマンドを実行できる

Path Finderの[環境設定]-[アプリケーション]において、「ターミナルに開く」で呼び出すターミナルアプリをOS標準/Path Finder内蔵/任意のいずれかに指定可能

WidgetTerm

 UNIXコマンドの実行を目的としたDashboardウィジェットを使う手もある。ここに紹介する「WidgetTerm」は、残念ながら日本語の表示には対応していないが、[F12]キーを押してサッと呼び出しパッと片付ける、というDashboardならではの使い方が可能だ。Spacesをオフにしているユーザーには、便利な存在なのではないだろうか。

簡易ターミナルエミュレータとして利用できるDashboardウィジェット「WidgetTerm」


筆者紹介──海上忍

 ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。



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