本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説をあますことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けをはじめ、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
What's 「SKK」?
そも「SKK」とはなんぞや? 筆者も初めて耳にしたときは、野球用品? はたまた缶詰?(それはどっちもSSKだろ)と思ったクチだが、それも無理からぬこと。SKKとは、「Simple Kana to Kanji conversion program」の略称で、そもそもは「GNU Emacs」専用の日本語入力システム(以下、IM)として登場した、知る人ぞ知るIMだからだ。
筆者が最初にSKKを利用したときの理由は、他に選択肢がなかったからというのが正直なところ。「NEXTSTEP 3.3J」のとき、「Mule」にGUIをかぶせた「Emacs.app(お代官様版)」をテキストエディターとして利用していたのだが、NeXTSTEP付属の日本語IM「クレア」はEmacs.appで利用できなかったからだ。一方、Emacs Lispで実装されたSKKであれば、Emacs上で動くので問題はない。
とはいえ、SKKは万人向けとは言い難い。慣れてしまえばどうということもないが、逐語変換を基本とするうえ、漢字変換する単語の先頭はアルファベットの大文字にする必要があるなど(例:「事件」は「Jiken
」とタイプして変換)、独特の入力体系は敬遠されかねない。「フリーだから」と気楽に使い始めても、おそらく大半のユーザーが3日とあけずに元の日本語IMへ戻るはずだ。
そのSKKをOS Xネイティブで動くIMとして移植したのが、「AquaSKK」だ。AquaSKKは、ことえりやATOKと同様、SafariやApple MailなどAqua環境で動作するアプリケーションすべてで利用できるため、活用のフィールドはEmacsに留まらない。もし、SKKという日本語入力環境に興味があり、自分の入力スタイルが逐語変換に近い、変換すべき箇所は自分で指示したいというのであれば、SKK使いになる素質は十分だ。ディスクイメージをダウンロードし、インストーラーの指示に従って導入を進めてほしい。
(次ページへ続く)
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