本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説をあますことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けをはじめ、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
新しいiPod nanoとshuffleが出ました。特にnanoは惹かれますね、あの小さなサイズでタッチスクリーンですから。米Appleの音楽イベントでJobs氏も触れていましたが、腕に巻くベルトに取り付けて時計アプリを起動し、「なんちゃって腕時計」にするとどうですかね。カッコ悪いか……。
さて、今回は「コマンド実行環境」について。標準装備のTerminal.appを使うことが常道とはいえど、より気が利いたツールを探してナンボの本連載、いろいろな方法を紹介してみたいと思う。
Xcodeの[Control]+[R]キーで思い出す
時折人から「(UNIX)コマンドってどんなとき使うのですか」などと尋ねられることがある。この質問、筆者には意味がサッパリわからない。自分が使いたいとき使うに決まっているじゃないか。Spacesで4つ設けた仮想デスクトップのひとつにTerminalを常駐させ、コマンドを実行したいというより、シェルで作業したいときその画面に切り替える、と。Emacsを利用して執筆中のときは、「M-x shell」(MはMetaキーの意、OS Xでは[Command]キーか[ESC]キーで代用する)でシェルモードを呼び出す、と。
もちろん実行するコマンドは状況次第で、tarやzipでのアーカイブ処理、makeやpatchなどコンパイル作業、lessやviを使ったテキストファイルのハンドリングなどさまざま。コマンドを入力するときは、bash(正確にはGNU Readline)の行編集機能を基本としつつも、短時間で終わりそうな場合はEmacsのシェルモードで済ませてしまう。筆者にとっては、もはや無意識下に沈んだオペレーションだ。
それが、先日Xcodeで作業していたときに考えを改めることになった。Xcodeでは、エディタ上にコマンドラインを入力して[Control]+[R]キーを押すと、コマンドの実行結果をカーソル位置に挿入できるのだ。これはなかなか便利な機能で、bcコマンドを使い電卓が必要なレベルの計算をしたり、calコマンドで曜日を確認したり、といったタスクもエディタから動かずに処理できる。
そういえば、筆者が最も時間を共に過ごすEmacsにも、カーソル位置にコマンドの実行結果を挿入する機能(「C-u M-!」の後にコマンドを入力)がある。もう少し丁寧に探しまわれば、より手になじむコマンド実行環境ができるのではないか……と思い至った次第だ。

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