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あなたのWebサイトをウォークマンにする方法 (4/4)

2010年07月23日 10時00分更新

文●小池 勉/コンテンツブレイン

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収集した情報を元に「何を、誰に、いつ訴求するか」方針を定める

 次にコンテンツの提示方法を考えます。私は次の3つの観点から提示方法を吟味しています。

  • 商品の魅力
  • ターゲット(購入ユーザー層)
  • 訴求するタイミング

 最初の「商品の魅力」をコンセプトの段階でどう扱うかは、次回詳しく説明します。

 マーケティングの手法の中で「ターゲット」については考え方がいくつもあります。ここでは商品の流行への感度を切り口に捕えて表現してみましょう。一番初めにトレンドを作り出す層(A)流行しているトレンドに飛びつく層(B)価格が安くなってからやっと手を出す層(C)に分けられます。

 そして自社の商品が、どの層の気持ちを引くものなのかを考えていきます。必ずしもAを狙えば売れるというものではありません。流行の中での新商品の位置づけや、販売価格などによって狙う層は変わりますから、見極めが重要です。


 A~C以外にトレンドにはまったく興味を示さず自分の考えだけに従う層(D)もありますが、トレンドには影響を受けない人たちなのでマーケット的にはあまり重視しなくて結構です。

 層が見えてきたら、次は個人を想定します。よくメーカーのプロモーション企画を見ると「ターゲットは富裕層」「F1層(20~34歳女性)に訴求」などと書かれています。しかし、コンテンツを具体的に訴求するときは、もっと細かくターゲットを絞らなくてはいけません。「60代の開業医」「婦人服ブランドの女性経営者」「ジムでヨガを楽しむ主婦」というように具体的なライフスタイルをイメージできる人物像を想定します。そしてコンテンツがターゲットの心に響くか、「価値観の共有」を作れるのかを想像してみるのです。

 「訴求するタイミング」とは、プロモーションをしかける時期のことを指しています。一般的には新製品発売の時期に集中して、マス媒体を主軸に宣伝やプロモーションします。しかしネットは他の媒体と違って長く情報訴求できるので、タイミングの考え方が違ってきます。ネットでも発売時期は新製品の特徴をプロモーションしますが、数か月経ってからはむしろ「ユーザーニーズから捉えたシーズンモチベーション」や「生活サイクルに合ったテーマ」を設定して新たなプロモーションを展開できます。それを効果的なタイミングできるかはサイトマスターの手腕にかかっています。新たなプロモーションを効果的に展開できれば、製品鮮度(商品価値)を保ち、プロモーション効果をロングテール化できます。

 商品の魅力、ターゲット、タイミングの3つは、言い換えれば、「何を、誰に、いつ訴求するか」という戦略です。これら3つの観点から検討を重ねながら、価値観を共有したユーザーに対して商品価値が実感として伝わるようにコンテンツを作っていきます。

 サイトマスターは、自社サイトを通してお客様と企業をつなぐ立場です。企業の一方的なセールストークを伝えるだけではなく、お客様の心に入る情報を作るのも役割です。そのためにもユーザーとの間に「価値観の共有」を作らなくてはいけません。企業とユーザーが価値観を共有する同じ土俵を作らなければ、正しい情報価値は生み出せないと私は感じています。


今回の法則:価値観の法則

『ユーザーと価値観を共有できると、はじめて商品の価値が伝わる』


著者:小池 勉(こいけ・つとむ)

株式会社コンテンツブレイン 代表取締役社長、株式会社サステナブル 代表取締役。Webマーケティングプランナー。家電、自動車からアパレル、食品、ブライダル、クレジットカード、PCメーカー、部品メーカーまでさまざまなジャンルのサイトプランニングを数多く手掛ける。またWebにおけるCRM戦略の立案、アイトラッキングを活用したWebコミュニケーション効率化なども行なっている。


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