ネットで成功している企業の共通点
秋葉原エンタまつり2009で、「デジタルを味方につけろ! ジャパンコンテンツ」と題したシンポジウムをやらせてもらった。マイクロソフトの上代晃久氏(オンラインサービス事業部)、ビンセント・ショーティノ氏(クランチロール代表取締役)、信谷和重氏(経済産業省 商務情報政策局 メディア・コンテンツ課長)、中村伊知哉氏(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)の4方にパネリストになっていただき、わたしがモデレータを務めた。
パネルディスカッションに先だって、わたしから、「デジタルのいまとこれから」についてプレゼンテーションをした。ネットやデジタルに関する議論では、そのスケール感やスピード感、我々がどんな土俵の上に立っているかが基本となるからだ。
そんなわけで、「How Big Is the Internet」ともいうべきデータを並べてみた。世界のネット人口は17億人、世界中のサーバーはアクティブなものが7000万、検索エンジンによって索引化されたページの数が450億(プレゼンでは45億と桁を間違えて説明してしまいました。推定でグーグルが160億ページ、ヤフーが450億ページ、ライブサーチは数億という議論があります)。そして、重要なことは、このネットの規模がいまも猛烈な勢いで拡大していることだ。
ウェブページが増えるだけでは、ビジネスにならないという人もいると思う。だが、ネット人口は2015年には現在の1.5倍になる。AMDが行っている「50×15」プロジェクトは、2015年に世界人口の50%がネットを使えていることを目標としている。「デジタルデバイド」とは、単にネットを使える人と使えない人のギャップのことではなく、使えない人が経済的に貧しくなることを言う。その結果、さまざまな社会問題や国際問題や人道問題を引き起こす。それを解消するためには、ネットの利用者を増やす必要があるというものだ。
幸か不幸か、この「ネット人口を増やす」という活動は、グーグルなどの典型的なネット企業がいちばんやりたいことと重なっている。そして、成功しているあらゆるネット企業は、このネット人口増加という巨大な潮流に乗れているだけだといっても、大げさではない。逆に乗れていない場合には、自分たちのお客やリソースが、どんどんネットに取られることになるわけだ。