Webサイトの制作を外部のプロに依頼したい……。その時、みなさんが真っ先に考えるのはWebデザイナーではないでしょうか。デザイナーへの上手な依頼の方法について考えます。
コンセプトを伝える
まず、覚えておきたいことは、
「Webサイトの目的、テーマ、コンセプトをしっかり考えてから依頼すること」です。
コンセプトごとデザイナーに考えてくれ、という依頼主はたくさんいらっしゃいますが、これは制作の依存です。
依存するとのちのちロクなことはありません。よいWebサイトをつくるには、まずは自分でコンセプトを考えて、紙を言葉に書き出してみることです。
スタッフや外部デザイナーにコンセプトを書いた書類を渡し、さらにことばで語れるように練ってください。
コンセプトを考えることは、なにも難しいことではありません。第1回と第2回の「『誰に』『何を』伝えたいのか」で、Webサイトを作るにあたって何から始めるのかの詳細を述べましたが、この点さえしっかりしていればこの先、何事もすいすいと考え進めることができます。
商品を買ってくれる対象は誰なのか。その人たちはどこにいるのか。どういうアクセスを経てうちのショップを訪れてくれるのか。その人たちのライフスタイルはこれこれこういう感じで、何を求めてどういう品物を探しているのか。
シミュレーションを繰り返すうちに次第にアイデアがしぼれてきて、Webサイトの雰囲気、デザインの方向性、テーマが見えてくるものです。
デザイン見本を提示する
次に、デザインのコンセプト、テーマを考えます。
ショップ全体のコンセプトにしたがって「Webサイト全体の見た目の印象=どかんと目立つようにする」とか、「やさしげでソフトなイメージで」とか「スポーティでアクティブな感覚で」「エコがテーマだからグリーンを使ってイメージしやすいように」など、ぱっと見た印象からはじめ、細部にわたってイメージを追求していきます。
デザインのコンセプトは、ことばで伝えるとともに「見本のWebサイトを提示」します。
あなたがいいと思うWebサイトを探し、見本となる例と、逆に、同業者でもこれは違うな、と思う例を挙げておくとデザイナーは理解しやすいでしょう。
見本は3~4例ほど提示し、「Aのサイトのここと、Bのここがいい。でも、Cのこのページのようになると私のイメージとは離れてしまいます」というように、コンセプトにそって具体的にデザインイメージを伝えます。あまり多すぎるとイメージが散漫になるので、3~4例にしぼりこむほうが伝わりやすいでしょう。
第38回のイラストレーターや、第39回、第40回のカメラマンへの依頼の方法のときにもいいましたが、見本を探すときにはWebサイトだけでなく、雑誌から探すと見つかりやすいということがよくあります。雑誌はほとんどプロがデザインしているので、プロの仕事を探しやすいということを覚えておきましょう。
色合いも大切です。色はメインカラーとサブカラー2つの合計3色を決めてデザイナーに伝えておくか、デザイナーと相談して決めていきます。
色合いは、デザインにとって重要な要素です。色の考え方、選び方については、第28回、第29回、第30回の「ホームページの色の悩みを解決」で詳しく書きましたので、そちらをご参考ください。
挿入する素材を提示する
次に細部のイメージを伝えますが、それにあたって必要なのは素材です。コピー、文章、写真、イラスト。これらの素材をどの程度入れていくのかをざっくりでいいので検討しておきます。
まず、必須の要素から検討します。商品の写真、商品をよりよく見せるためにイメージとして使う写真、モデルが商品を使用しているイメージ写真など、それらを何点ほど入れこみたいのか。イラストは必要かどうか。必要なら、どういう図柄がよいか。
自分のイメージや希望をデザイナーに提示し、扱い方を相談していきます。あくまで、自分のイメージを伝えることが先決です。
ただ、デザイナーにコンセプトや見本を伝えるに際して、あまり細かいことまでは必要ありません。細かすぎる、規制が多すぎると、デザイナーの想像力をさえぎることになりかねません。イメージを大まかに伝え、デザイナーがそれを理解してくれたなと感じたら、あとはデザイナーの進め方、デザイン力にまかせましょう。
次回、ナビゲーション、バナーの依頼の仕方、発注の失敗例などについて考えます。
著者プロフィール
名前 | 朝日奈 ゆか | info_email_01[アットマーク]yumble.com |
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