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三菱電機、sRGB比175%の広色域を実現する“広色域6原色LEDバックライト液晶ディスプレイモニター”を開発

2005年05月10日 15時47分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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“広色域6原色LEDバックライト液晶ディスプレイモニター”
“広色域6原色LEDバックライト液晶ディスプレイモニター”(中央)。比較として、一般的な液晶ディスプレー(左)とインクジェットプリンターの出力を並べてデモンストレーションした

三菱電機(株)は10日、東京・丸の内の三菱電機本社ビル内会議室にプレス関係者を集め、“広色域6原色LEDバックライト液晶ディスプレイモニター”(23インチサイズ)の開発説明会を開催した。同社ではこの試作機を、今月22日~27日に米国ボストンで開催されるディスプレー技術の国際シンポジウムおよび展示会“SID(Society for Information Display) 2005”で発表する予定。会場には、本機を開発した先端技術総合研究所から映像入出力技術部 映像表示技術グループマネージャーの染谷 潤(そめやじゅん)氏、映像入出力技術部長の杉浦博明(すぎうらひろあき)氏が出席し、機能の詳細を説明した。



先端技術総合研究所の映像入出力技術部 映像表示技術グループマネージャーの染谷 潤氏ら
先端技術総合研究所の映像入出力技術部 映像表示技術グループマネージャーの染谷 潤氏(左)と、映像入出力技術部長の杉浦博明

同社は1年前の2004年3月22日に、AdobeRGBのほぼ全域をカバーするという、RGB3色のLED(発光ダイオード)をバックライトに利用した“高精細広色域LEDバックライト液晶モニター”の開発を発表しているが、今回は色味の異なるRGB3色を加えた合計6色のLEDをバックライトに用いて、従来より20%広い色域を実現したという。

“広色域6原色LEDバックライト液晶ディスプレイモニター”のブロック図
“広色域6原色LEDバックライト液晶ディスプレイモニター”のブロック図

具体的には、

  • RGB各8bitの色信号(最大10bit入力まで対応)を6つのRGB光源に合わせて色変換/色分解する信号処理回路“Natural Color Matrix”をFPGA(Field Programmable Gate Array)で実現
  • 従来のRGB3色と新たに追加したRGB3色のバックライトを交互に転送する“フィールドシーケンシャルバックライト方式”を採用
  • 2組のLEDグループが発する光量を個別に検知して、冷却機構を調整しながら最適な光量に補正する“ビルトインキャリブレーション(組み込み型色校正)システム”搭載

などを新たに開発することで、従来より広色域の表現が可能になった。ただし、2組のLEDバックライトを交互に点灯させるため、輝度は80cd/m2と、既存の液晶ディスプレーに比べて低くなっている。そのほかの試作機における主な仕様は以下のとおり。

色域
sRGB比:175%
画面サイズ
23インチワイド(幅501.12×高さ300.67mm)
表示解像度
WXGA(1280×768ドット)
入力端子
DVI-D×2(10bit入力時には2系統を同時使用)

色味の異なる2タイプのRGB3原色LED 特にG(緑)とB(青)の表現領域が異なることを示している
色味の異なる2タイプのRGB3原色LEDを2つ並べて交互に点灯することで、より広い色域を表現したという特にG(緑)とB(青)の表現領域が異なることを示している

この試作機で表現可能な色域として、

  • 従来のCRT/液晶ディスプレー向け色空間“sRGB”
  • 米国でのオフセット印刷で表現可能な色空間“SWOP”
  • 色再現域の評価のために用いられる“Munsell Color Cascade(マンセル色票集)”
  • メーカーや機種名は明かさなかったが6色以上の多色インクで色表現が向上している最新インクジェットプリンター

などを比較対象に掲げ、最も表面色の多いマンセル色票集でも包含率95.58%(3原色LEDバックライト方式では80.62%、sRGBは52.67%)を実現すると説明した。

sRGBとの色空間の比較 米国でのオフセット印刷で表現可能な色域(中央の黄色のドット)との比較 インクジェットプリンターで表現可能な色との比較
一般的な液晶ディスプレーで表現可能な色空間(sRGB)と、3原色LEDバックライトでの色空間、および今回開発した6原色LEDバックライトによる色空間米国でのオフセット印刷で表現可能な色域(中央の黄色のドット)との比較インクジェットプリンターで表現可能な色との比較

同社ではこの試作機の評価を行ないながら、製品化に向けた仕様の確立、表示性能(輝度や応答速度など)の向上、用途や市場の開発などを進めるとしている。具体的には、「現時点では月に数百台、1000台に満たない市場規模しかないと思う。用途としてはデジタルカメラや印刷時の(色調の)確認などが用途になると思われるが、動画向けの広色域の標準化の動きもあり、将来は液晶TVなどにも有効な技術になると期待している」(染谷氏)と述べた。

マンセル色票集で再現される色との比較 6原色LEDバックライト方式では、グレーの抜けがかなり少ないことがわかる
マンセル色票集で再現される色との比較マンセル色票集で再現される色との比較。こちらは表現できない部分をグレーでつぶしてある。右下の6原色LEDバックライト方式では、グレーの抜けがかなり少ないことがわかる

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