![]() |
---|
“デジタルクリエイターズコンペティション 2004”の授賞者の面々 |
(財)デジタルコンテンツ協会(DCAj)は26日、デジタルコンテンツ産業の新市場創出と人材発掘を目的として、商品化されたコンテンツやサービス、システムなどを発掘・評価する“第19回デジタルコンテンツグランプリ”の受賞作品を発表した。
サービス・システム創出部門のグランプリ(経済産業大臣賞)は前回に引き続き、2年連続の受賞となった(株)セルシスのデジタルコミック作成支援ソフト『ComicStudioEX Ver.3.0』、ヒットコンテンツ部門のDCAj会長賞は大作・傑作目白押しのアニメやVFX(特殊映像効果)など映画作品が多数候補に挙がった中で、優秀賞に選ばれた『イノセンス』をも押さえて、(株)スクウェア・エニックスのプレイステーション2用RPG(ロールプレイングゲーム)『ドラゴンクエストVIII』が受賞した。
![]() |
![]() | |
---|---|---|
サービス・システム創出部門のグランプリ(経済産業大臣賞)を受賞した、セルシスのデジタルコミック作成支援ソフト『ComicStudioEX Ver.3.0』 | ヒットコンテンツ部門のDCAj会長賞を受賞した、スクウェア・エニックスのプレイステーション2用RPG(ロールプレイングゲーム)『ドラゴンクエストVIII』 |
2つの大賞を制したのは前回受賞者と大御所タイトルで、いまひとつ新鮮さに欠くを印象は否めないが、優秀賞には(株)イー・マーキュリーのソーシャルネットワークサービス“mixi”や、パソコン向けウェブサイトを表示できる(株)jig.jpの携帯電話用ウェブブラウザー“jigブラウザー”、公開掲示板サービス2ちゃんねるで不器用な独身男が助言を受けながら恋愛を成就させていくストーリーがインターネットから単行本化されて話題になった“電車男”((株)新潮社刊/男達が後ろから撃たれるスレ/2ちゃんねる)といった、インターネットを活用した新しいビジネス/コンテンツが選ばれた。
また、同時に開催された経済産業省(主催)のクリエイター人材育成支援事業である“デジタルクリエイターズコンペティション 2004”の受賞式では、若い才能によるびっくりするような自由な発想の作品が選ばれた。いずれの作品を見ても若手クリエイターが台頭してきており、次回以降の同賞の展開が大変楽しみな内容となった。
贈賞式はデジタルコンテンツグランプリの発表に先立ち、前回まで“新しい才能の部”と位置づけられていた“デジタルクリエーターズコンペティション 2004”の受賞作品が発表された。受賞作品は以下の通り(作者名は敬称略、以下同)。
- ●金の翼賞
- かめのナアシャ
- 杉山大樹
- ●銀の翼賞
- Hai and Low
- 森下征治
- JAPAN
- 吉田学園電子専門学校/上田廣、小田桐貴司、小坂健、長澤光恵、本間健太郎
- ●優秀賞(50音順、以下同)
- Chess
- 宮本真成
- IMAGES OF THE LASTBATTALION
- 岸田幸士
- ウンコがしたい
- 名取裕一郎、池田俊彦、牧野将子
- カッポロピッタ~まんまくいねい~
- 松村麻郁
- 百怪ノ行列/浅草キケン野郎~泣くな! 恋の鉄砲玉~
- 沼田雅徳
![]() |
![]() |
![]() | ||
---|---|---|---|---|
金の翼賞受賞作“かめのナアシャ” | 銀の翼賞受賞作“Hai and Low” | 同じく銀の翼賞受賞作“Japan” |
金の翼賞を受賞した“かめのナアシャ”は、見た目どおりのほのぼのとしたカメのキャラクターがたんたんと歩んでいくだけの“日常”を切り取った美しい映像作品。講評を行なった(株)東北新社の取締役兼上席常務執行役員でCMディレクターの中島信也氏は、「こうした優しい映像作品を作り出す杉山さんは幸せな家庭環境で育ったのだと思います。お父さん、お母さんに感謝して、今後も世界中の人に幸せにできるコンテンツを作っていただきたい」「作品の個性、オリジナリティが際立っていることに重点をおいて審査しました。こうして実際に作者の顔を拝見すると、本当に生身のいい顔をした若者が創っているのが実感できました」と語った。
![]() |
![]() |
![]() | ||
---|---|---|---|---|
“ウンコがしたい” | “カッポロピッタ~まんまくいねい~” | “百怪ノ行列/浅草キケン野郎~泣くな! 恋の鉄砲玉~” | ||
![]() |
![]() |
|||
優秀賞受賞作品 |
銀の翼賞を受賞した“Hai and Low”は、塀の向こうの囚人が、あるとき手にした花の種をきっかけに刑務所内を花でいっぱいにする、というストーリー。“人は変わることができる”を具体的に表現した作品。
同じく“JAPAN”は専門学校の生徒がグループで制作した力作。住宅やビルが立ち上がっていくビジュアルを通じて、高度経済成長以降の日本を2分間で表現したCGアニメーション。優秀賞には“ウンコがしたい”というびっくりするようなテーマの作品も選ばれ、中島氏の言うように個性的な作品ばかりが選ばれた。
