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“Intel R&D Day”開催!次世代通信プラットフォーム“ユニバーサル・コミュニケータ”などを紹介

2003年10月29日 23時34分更新

文● 編集部 小板謙次

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インテルコーポレーション上級副社長兼CTOのパトリック・ゲルシンガー(Patrick P. Gelsinger)氏
インテルコーポレーション上級副社長兼CTOのパトリック・ゲルシンガー(Patrick P. Gelsinger )氏

インテル(株)は28日、都内で“Intel R&D Day”と題した技術者向け説明会を開催した。半日をかけて米インテル社およびインテルのキーパーソンが説明を行なった。

最初に登場したのはインテルコーポレーション上級副社長兼CTOのパトリック・ゲルシンガー(Patrick P. Gelsinger )氏だ。氏はインテルの技術面でのリーダーシップや大学研究所との連携についてピーアール。「我々の研究分野はシリコンだけにとどまらず広い分野にわたっている。今後は高度な研究プログラムに直接かかわり、共同で取り組んでいくことが重要だ」と話した。また、シリコン技術の微細化について「ムーアの法則は10年以上はいけるだろうが、プロセスが20nm以下になると困難な状況もでてくる。カーボンナノチューブやナノワイヤーなどの技術で微細化は可能だが、それらはシリコンに置き換えられるものではない。10nm以下のプロセスになると材料が問題となってくるが、豊富な材料がシリコンに“追加”されていくことになるだろう」と話した。また、日本でのブロードバンドや無線の技術に関して、「アメリカでサービスを受けるよりも日本でサービスをうけたほうがいいくらいだ」と持ち上げる一方で、無線関連の規格策定に関して、もっと世界と歩調を合わせるべきだとの懸念も付け加えた。



米インテル社のインテルフェロー兼コミュニケーション・テクノロジ・ラボ ディレクタのケビン・カーン(Kevin C. Kahn)氏

続いて登場した米インテル社インテルフェロー兼コミュニケーション・テクノロジ・ラボ ディレクタのケビン・カーン(Kevin C. Kahn)氏は、6月の記者発表に続き、無線技術のロードマップについて解説した。ポイントは前回と変わりなく、無線技術をCMOS上に結合してコスト削減につなげることが重要とし、ムーアの法則のような曲線を同分野にも持たせることが大切だと強調した。



ラボでの研究としては、無線チャンネルのキャパシティーを上げること、達成可能なパフォーマンスと最大キャパシティーの間のギャップを埋めること、チャンネルのアイドルタイムを減らすことなどを挙げた。チャンネルのキャパシティーをアップする上で重要と話すのがスマートアンテナの研究だ。スマートアンテナには、セクターアンテナや複数のアンテナのアナログ結合によって通信距離を増大する短期的な方法と、SDMA(Spatial Division Multiple Access)やMIMO(Multiple Input Multiple Output)によってスループットを改善する長期的な手法がある。MIMOはアクセスポイントとラップトップの間に複数のチャンネルを設けるもので、SDMAは複数の信号のなかで一番強い信号をアクセスポイントからピックアップしてくるものだ。これらによって通信容量は4倍になるというグラフを示した。また、キャパシティーの改善に使われるテクノロジーとして“アダプティブOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)”についても説明がなされた。これは、無線チャンネルをサブチャンネルに分割することで、信号の吸収や反射などの作用で結果的にレシーバで受信される信号が少ない状況を改善するもの。頻繁に状況が変化するチェンネルを見ながら迅速に信号を割り当て、最適化するビットローディングのテクニックで、次のIEEE802.11規格で実現するよう研究を進めているようだ。



ウルトラワイドバンド(以下、UWB)については、ナローバンドシステムの5kHzや10kHzに比べて非常に広い帯域をとり低電力である特徴を示し、500Mbpsを5mで実現するため研究中であるとした。そして重要な標準化については、いくつかのグループがIPネットワーキング(UPnP)、非IPピア・ツー・ピア(W1394)、周辺機器のインターコネクト(WUSB)、Bluetoothといった各種のテクノロジーが共通のプラットフォームで利用可能になるよう動いていると話した。



再構築可能なベースバンドアーキテクチャー

さらに時間を割いて説明がなされたのは、再構築可能な通信ベースバンド・アーキテクチャーについてである。現在、無線規格では802.11a、11b、11g、802.11nなど複数が存在している。これらの規格にスケーラブルに対応可能なアーキテクチャである。「一種の処理のミックスが可能で、例えば802.11aのシステムを処理する時には、いくつかの要素を組み合わせることによって802.11aの無線機能が実現できる」というメッシュ構造をもったものになる。そしてこれらは、逐一色々な無線に対して対応するだけではなく、同時に複数の無線に対応していくことも重要になってくるかもしれないと説明した。



これは「どんなデバイスでもルーターになり、どんなデバイスもリレーノードで対応する」メッシュ・ネットワーク
これは「どんなデバイスでもルータになり、どんなデバイスもリレーノードで対応する」メッシュ・ネットワーク

また、これらのメッシュ機構はアーキテクチャーだけではなくネットワークにも必要になってくる。現在の無線ネットワークは有線の置き換えにすぎないとし、氏はこれを第1世代の無線LANと位置付けた。氏は「現在は有線を無線に置き換えただけで、無線であることを本当に生かしていない」と話し、現在研究しているのはマルチホップネットワークだという。これは「どんなデバイスでもルーターになり、どんなデバイスもリレーノードで対応する」形態だという。



システム・テクノロジ・ラボ プリンシパルエンジニアのウッタム・セングプッタ氏
システム・テクノロジ・ラボ プリンシパルエンジニアのウッタム・セングプッタ氏

続いて登壇した米インテル社のシステム・テクノロジ・ラボ プリンシパルエンジニアのウッタム・セングプッタ氏は“モバイルプラットフォームの研究活動”と題した説明を行なった。氏はインテルではこれまで、2001年にノート記録用のタブレット、2002年に携帯型ビデオプレーヤー、2003年には“ユニバーサル・コミュニケータ”を次世代のリサーチプラットフォームと位置付けたと発表した。この“ユニバーサル・コミュニケータ”は複数の異機種ネットワークに対応可能でシームレスにアクセスできるものだ。ここではインテルが開発した初のユニバーサルコミュニケータのプロトタイプ(ハード)の構造が紹介された。写真がそれだが、この研究によって、スタック化したフラッシュメモリを利用することでPCB上での設置面積を節約可能、視認性に優れているOLEDは電力をくうため、ポリシー管理ドライバーによって最大限の節約が必要、アナログ・コンポーネントの周辺に複数の面をまたいでスペースを確保することが干渉を緩和する上で効果的などの結果が得られているとした。



2002年のリサーチプラットフォームである携帯型ビデオプレイヤー。MPEG4 Part10エンコーダ/デコーダ、MPEG2から4へのトラスコーダーもパソコン用に作った。USB 2.0も搭載
2001年のリサーチプラットフォームであるノート記録用タブレット。Windows CEを搭載し、ディスプレーは東芝製7インチ液晶を使用。解像度は1024×600ドット。テキストI/Oソフトウェアはインテルの社内開発だった2002年のリサーチプラットフォームである携帯型ビデオプレイヤー。MPEG-4 Part10エンコーダ/デコーダ、MPEG-2から4へのトラスコーダーもパソコン用に作った。USB2.0も搭載
2003年のリサーチプラットフォームと位置付けられたユニバーサル・コミュニケータ プロトタイプのハードウェア構造
2003年のリサーチプラットフォームと位置付けられたユニバーサル・コミュニケータ。コダック“NuVue”OLEDディスプレーを採用プロトタイプのハードウェア構造
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