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NTTデータ、パソコンの余剰CPUパワーを統合して巨大なCPUパワーとする“cell computing”の実証実験結果を公開

2003年06月26日 16時31分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)エヌ・ティ・ティ・データは26日、インテル(株)、東日本電信電話(株)、マイクロソフト(株)の協力の元に実施した“cell computing”の大規模実証実験の結果を公開した。

“cell computing”は、ブロードバンドに接続された家庭内や企業内のパソコンの余剰CPUパワーを統合し、仮想的なスーパーコンピューターとして利用する技術を用いたサービス。実証実験には1万2206台のパソコンユーザーが参加し、2002年12月20日から2003年4月30日まで実施され、各パソコンのCPUが計算した計算時間の総和であるトータルCPU時間は611年162日13時間24分23秒、ピーク時の性能は3T Flops超となった。これは、平均的なパソコン1台で処理する場合に611年かかる計算を約4ヵ月で実施したことになるという。

今回は米United Devices社のミドルウェアをベースに開発したプラットフォームを用い、2種類のアプリケーション(プロジェクト)を実行した。1つは、東亞合成(株)が行なう研究の一環として開発されたアプリケーションを用いた“ヒトの遺伝子情報からの周期性の発見”プロジェクト『BOLERO(ボレロ)』、もう1つは、NTT物性科学基礎研究所が行なう研究の一環である“光学的に新たな特徴をもつ材質の設計図の作成”プロジェクト『OPAL(オパル)』。

『BOLERO』については、当初予定していた20番、21番染色体の解析を約1.5ヵ月で終え、その他3つの染色体の解析を行ない計5つの染色体(13、14、20、21、22番染色体)の解析を約4ヵ月で終了した。これにより、周期性をもつ領域が多数存在することを2D色彩パターンを用いて確認できたという。また、『OPAL』では、13万個の光学的に新たな特徴をもつ材質(フォトニック結晶)候補について約4ヵ月の間に解析を終了し、どんな方向からでも光を反射する結晶構造を持つ新しい材質の候補として116個の結晶構造を発見できたという。

NTTデータは、今回の実証実験での成果をもとに、企業内パソコンのCPUを統合するイントラネット型cell computingの今年度下半期からの販売開始、および常時接続環境のパソコンを対象としたインターネット型cell computingの事業化に向けての検討を進めていくとしている。

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