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“Electronic Entertainment Expo 2003”会場のNCソフトブース |
去る5月14~16日、米国ロサンゼルスにて開催されたゲームショウ“Electronic Entertainment Expo 2003”(E3)には、米国や日本だけでなく、成長著しい韓国や台湾のゲーム会社も出展を行なっていた。中でも『リネージュ』によってMMORPG(多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム)では世界でもっとも成功した企業である韓国NCソフト(NCSoft)社は、MMORPGを1社で4タイトルも出展するという積極的なプロモーションを行ない、出展タイトル自身も高く評価された。現在開発中で、韓国では7月からオープンβテストに移行する予定のMMORPG『リネージュ2』は、日本でも10月頃からのオープンβテスト開始、年内でのサービス開始を目指しているという。そのNCSoftを率いる若きCEO、金澤振(Tack Jin Kim)氏は、韓国IT業界では立志伝中の人物である。E3会場にて、金氏にリネージュとNCSoftの世界展開、韓国ゲーム市場の動向について聞いた。
(聞き手:月刊アスキー編集部 小西利明)
「リネージュとリネージュ2は同時に運営され、
市場で成長していく」
[月刊アスキー編集部 小西(月アス)]
E3でのNCSoftブースへの来場者からの手応えや反応はいかがでしたか。
[金澤振 氏(金氏)]
まずリネージュ2は、来場者の方の期待を上回るものをお見せできたと思います。また、当社のオンラインゲームに関するビジョンが、一般のコンソールゲーム(ゲーム専用機)やパソコンゲーム以上のものだということに、驚きを感じられた方が多いようです。
[月アス]
そのリネージュ2ですが、リネージュのような無料ダウンロード配信ではなく、パッケージ販売を主体とされるそうですね。なぜ、パッケージ販売に移行されるのでしょうか。
[金氏]
市場によって、ゲームパッケージの買い方は異なると思います。やはり韓国のユーザーはダウンロード方式を圧倒的に支持していますが、日本やアメリカではパッケージの形で買う方式が一番信頼されていますし、買いやすい方法だとわかりました。これが1つの理由です。2つめの理由としては、今までのオンラインゲームは、完全には完成されていないバージョンをダウンロード方式で提供し、その後に追加パッチを当てていました。リネージュ2の場合は、既存のパッケージゲーム以上の完成度を持ってのリリースを予定していますので、パッケージの形態でも十分販売可能だという裏づけでもあります。
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『リネージュ2』のアートワーク、その1 | | 『リネージュ2』のアートワーク、その2 |
[月アス]
MMORPGの市場では、非常に人気のあるゲームにまったく新しい続編が登場するということは、今までありませんでした。スタンドアロンのゲームと違い、ネットワークゲームは人気ゲームの続編だからといって、ユーザーの多くが新作に移行してくれるかどうかわからない。ユーザーコミュニティーが移行しなければ、新作が失敗してしまう可能性もあります。リネージュがリネージュ2に移行するというのは、世界で初めての例になるかと思いますが、リネージュのユーザーをリネージュ2に移行させるに当たり、どのようなプランを検討されていますか。
[金氏]
リネージュでは、今までやりたくてもできなかったさまざまな機能がありました。今回それをリネージュ2で実現したので、リネージュ2は1(リネージュ)と違った路線を走っていくと思います。基本的にリネージュとリネージュ2は、世界観は同じかもしれませんがプレイの感覚やそれぞれのゲームが持っている味は違ったものなので、リネージュとはまた別の発展の仕方をしていきながら、異なる市場を開拓・攻略していくつもりです。それによって既存のゲームでは見られなかった、旧バージョンと新バージョンが同時に運営され、また市場でも成長していく形になると思います。
[月アス]
ではリネージュ2が発売されても、しばらくの間はリネージュのアップデートが続いていくわけですね。
[金氏]
そうです。
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『リネージュ2』のスクリーンショット、その1。龍騎兵が跋扈する戦場 |