まずは右の写真をごらんいただきたい。何やら軍艦マーチが聞こえてきそうな光景だが、これが本日センチュリーから発売されたCPUクーラー、題して「冷戦」シリーズだ。 CPUクーラーとして、現在考え付く限りのバリエーションを網羅したかのような全7種類となっており、センチュリーのウェブサイトでは「CPU冷却戦争の秘密兵器はコレだ!!」といううたい文句が躍っている。
すべての製品が旧帝国陸海軍の軍用機および戦艦の名前を冠しており、そのパッケージも中央には旭日旗を思わせる紅白の模様が入っている。さらに製品名ロゴなどの文字は戦前期を思わせる右から左へ書く方式。ついでに、メーカー名表記も「戦中利(センチュリイ)」といかつい当て字にされているなどの徹底ぶり。
そうしてウケを狙っておきながら、騒音値と対応CPUはしっかりとパッケージの表面に書かれており、対応CPUも軍艦が撃沈されているイラストと共に記載されている。
対応CPU表記と騒音値表記 |
戦艦「金剛」「陸奥」
全7種類の製品は、大別して4つのグループに分かれる。
まず旧帝国海軍の戦艦の名前が付いている2製品は、Socket A/370(FC-PGA非対応)用の静音タイプというもの。総アルミ製のヒートシンクに、新和産業の「DownBurst」のような変換アダプタを介し8cm角25mm厚ファンを装着したもの。
いずれもヒートシンクサイズは80(W)×61(D)×40(H)mm、重量294gと寸法/重量は同一で、違いはファンのスペック。「陸奥」は2000rpmで騒音20dB、「金剛」は2500rpmで24dBとなっており、その分前者はAthlon XP 1900+まで、後者は同2100+までと対応CPUに差が出ている。
価格は高速電脳で2980円、CUSTOMで3580円。
「金剛」と「陸奥」は外見は同一。大柄な姿はまさに戦艦? |
海軍局地戦闘機「紫電」「雷電」「震電」
旧帝国海軍の戦闘機の名前が付いた3製品はSocket A/370(FC-PGA非対応)用の標準タイプという位置付け。いずれもAthlon XP 2000+までの対応となっており、穴の開いたファンガードの形状が戦闘機を思わせるためこのネーミングになったという。
まず「紫電」は総アルミ製ヒートシンクに6cm角25mm厚ファンを組み合わせた、もっともポピュラーな構成のタイプ。本体のサイズは80(W)×61.5(D)×71(H)mmで、ファン回転数は4900rpm、騒音35dB。高速電脳で2180円、CUSTOMで2580円。
「雷電」は、同じく総アルミ製ヒートシンクに、7cm角15mm厚という大径のファンを組み合わせたもの。本体サイズは70(W)×70(D)×56(H)mmで、ファン回転数は4200rpm、騒音39dB。高速電脳で2580円、CUSTOMで2980円。
そして「震電」は、銅柱が縦に貫通したハイブリッドタイプのヒートシンクを採用しており、CUSTOMが行ったテストでは最も性能が高かったという。ファンは6cm角25mm厚で回転数4900rpm、騒音35dB。本体サイズは66(W)×66(D)×40(H)mm。高速電脳で2980円、CUSTOMで3580円。
「紫電」。最もポピュラーな構成のため国民的に人気の高かった同機の名前を付けたという |
「雷電」。ずんぐりとしたスタイルということでこの名前と思われる |
「震電」。開発中に終戦を迎えた悲運の高性能機の名前だ |
陸軍重爆撃機「飛龍」
「飛龍」はシリーズ中唯一のPentium 4対応製品。ちなみに同名の空母の方が有名だが、そちらではなく爆撃機の方、とのこと。
構成は銅とのハイブリッドタイプのヒートシンクに7cm角15mm厚ファンを組み合わせたというもの。ヒートシンクは「震電」と似た形状だ。固定金具はレバー式のもので取り付けは簡単だ。本体サイズは83(W)×69(D)×40(H)mmで、ファン回転数は3600rpm、騒音35dB。Pentium 4-2.4GHzまでの対応。価格は高速電脳で3380円、CUSTOMで3980円。
「飛龍」。Pentium 4の破壊力、ということで爆撃機か? |
陸軍戦闘機「隼」
最後の「隼」は、最近流行の1Uラック用薄型タイプ。
「震電」のものを輪切りにしたような銅/アルミハイブリッドのヒートシンクと、6cm角10mm厚ファンを組み合わせ。本体サイズは66(W)×69(D)×22(H)mmで、ファン回転数は4800rpm、騒音35dB。対応CPUはPentium III-1.26MHz、Celeron-1.2GHz、Athlon-1GHz、Duron-900MHzまで。価格は高速電脳で2980円、CUSTOMで3580円。
「隼」。薄型コンパクトということで、無敵の格闘戦性能を誇った軽量級戦闘機の名前が |
以上、7種類。本体サイズとヒートシンクサイズのデータはセンチュリーの資料中の記載にしたがっている。ちなみに、このほかにも試作のみに終わった機体(?)が多数存在しておりネーミングも考えられていたようだ。例えば「桜花」という製品のアイデアもあったが、特攻機の名前はさすがにまずい、ということでこれはお蔵入りになったとのことだ。
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