日本電気(株)は8日、宇宙開発事業団、日本原子力研究所、および海洋科学技術センターの共同チーム“地球シミュレータ研究開発センター”が開発を進めてきた超高速ベクトル並列計算機システム“地球シミュレータ”の本体納入を完了したと発表した。11日に運用が開始されるという。
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“地球シミュレータ”用超高速ベクトル並列計算機 |
“地球シミュレータ”は、海洋科学技術センター横浜研究所にあるシミュレータ棟に設置されている(設置面積は50×65m)。8GFLOPSの処理性能を持つベクトルプロセッサー8個で構成される計算ノードを、高速ネットワークで640台接続したシステム。CPU数は合計5120個で、演算性能は最大で40TFLOPS(1秒間に40兆回の浮動小数点演算)となる。多目的用としては世界最高速となるという。
CPUは、0.15μm銅配線プロセスで約6000万トランジスターを集積したCMOSプロセッサーで、主記憶は、計算ノード内の共有メモリーが16GB、システム全体では10TB。基本ソフトは同社のスーパーコンピューター“SXシリーズ”用に開発したUNIXベースの『SUPER-UX』を超大規模システム向けに強化/拡張したものを搭載する。プログラムの開発環境は、自動ベクトル化や自動並列化をサポートしたFortran90、HPF、C、C++などのコンパイラーや、メッセージパシングライブラリー“MPI2”、ノード内数学ライブラリー“ASL/ES”など。
地球シミュレータの運用開始により、コンピューター上に“仮想地球”を作り出し、地球規模の気候変動の解析/予測や長期間にわたる地球変動現象の解明などが可能になるとしている。
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