徹底解明!! D-VHS4つの疑問+D-VHS徹底討論会+これでバッチリ用語解説
徹底解明!! D-VHS4つの疑問+D-VHS徹底討論会+これでバッチリ用語解説
2001年07月18日 13時03分更新
文● 浅野純也
これだけチェックしておけば安心!
D-VHS最頻出用語解説
AAC(エーエーシー)
「Advanced Audio Coding」の略で、MPEG2規格に盛り込まれている音声の圧縮方式のひとつ。MP3よりも低いビットレート(=データ量)で高音質を再現できるのが特徴で、BSデジタル放送で正式採用されている。5.1chなどのマルチチャンネル出力にも対応している。
DVデコーダ
同じデジタル録画でも、DVとD-VHSでは画像圧縮方式が異なるため、そのままではデジタルダビングできない。そこで一部のデッキは、i.LINKから入力されたDVデータを伸長できる「DVデコーダ」を搭載し、それをさらにMPEG2圧縮して記録することで、DVからD-VHSテープへのダビングを実現している。
D端子
映像を高品位に伝送できるコンポーネント信号を扱うには、従来3本のケーブル(輝度信号:Yと色差信号:Y-r、Y-b)が必要だったが、これらをまとめて1本のケーブルで伝送できるようにした日本独自のインターフェイス。解像度や画面サイズを識別する信号線も加えている。対応する解像度によってD1~D5までがあり、詳細は以下のとおり。デジタルハイビジョン放送(HSモード)は1125iまたは750pで放送される。なお数字は水平走査線数(総線数)、末尾のiはインターレース、pはプログレッシブを示す。
- D1:525i(現行の地上波放送)
- D2:525i/525p
- D3:525i/525p/1125i
- D4:525i/525p/1125i/750p
- D5:525i/525p/1125i/750p/1125p
D端子スルー
入力されたD端子からの信号をそのまま別のD端子から出力することで、複数の機器でD端子信号を共有できる機能。
HDデコーダ
デジタルハイビジョンの高解像度MPEG2データに対応するのデコーダのこと。日本ビクターの「HM-DH30000」で初めてD-VHSデッキに搭載された機能。
i.LINK(アイ・リンク)
対応機器間でデジタル映像信号(データ)を送受信するためのインターフェイス。DVカメラに付いているDV端子と同じもので、i.LINKはソニーが付けた愛称(であり商標)。最近のパソコンに標準的に搭載されつつあるIEEE1394インターフェイス(MacintoshではFireWire)も実は同じものだが、PCに搭載されているものには6ピンと4ピン(DV端子と同じ)の2種類のコネクタ形状があり、接続には対応したDVケーブルが必要。
IPBフレーム
MPEG映像の1枚のフレームには、圧縮された1枚絵の「Iピクチャ」と、以前のIピクチャと異なる部分の差分信号だけを持つ「Pピクチャ」、前後のI、Pピクチャを元に動きを予測して間を埋める「Bピクチャ」という3つのデータが存在している。このうち、単体で画像として完結しているIピクチャは、ピクチャーサーチ用の静止画としても利用されている。
TBC
「Time Base Corrector」の略。テープの走行ムラやヘッドの回転ムラによって発生する映像の横揺れ“ジッター”を低減する機能。
エンコード記録
MPEG2エンコーダ/デコーダ内蔵のD-VHSデッキにおいて、内蔵チューナの受信信号や外部アナログ入力信号をMPEG2のデジタル信号に変換して記録するモード。
ゴーストリダクション(GRT)
ビルなどの反射波によって、映像がダブって映る“ゴースト現象”をデジタル信号処理を施して除去する機能。
トラッキング
テープ上のトラックの正しい位置にヘッドを合わせること。トラッキングが合わないとVHS/S-VHSでは映像が乱れ、D-VHSでは映像が出なくなる(デジタル記録のため一定以上ずれると読めなくなる)。D-VHSを含むVHS方式には、制御信号を記録する「コントロールトラック」がテープ上に用意されており、このデータを使ってトラッキングを合わせている。
トラック
D-VHSテープには、映像や音声データを記録する「ヘリカルトラック」と制御信号を記録する「コントロールトラック」、アナログ音声を記録する「音声トラック」(オプション)があり、ヘリカルトラックには映像や音声、カセットID、日時、文字などのほか、エラー訂正信号などが記録されている。ピクチャーサーチ用のデータはこのトラックのSubcodeセクタ上にある。
フレームシンクロナイザー
ビデオ・シグナル・スタビライザ
「フレームシンクロナイザー」はビクターの、「ビデオ・シグナル・スタビライザ」は日立のD-VHSデッキに搭載されている機能で、どちらもアナログの外部入力信号に対してTBCをかけながらデジタル録画を行う。これによって、ジッターのない安定した映像でD-VHS記録することができる。