(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントは26日、“プレイステーション2”用Linuxキット『PS2 Linux Kit』(SCPH-10270 K)のベータ版を6月に発売すると発表した。価格は2万5000円で、1000セット限定となっている。PS2用ゲームの開発環境はLinuxだが、今回の製品との関連はないという。
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『PS2 Linux Kit』 |
『PS2 Linux Kit』の構成は以下のとおり。
- PS2専用ハードディスク(外付け、PCカードスロット経由で接続、容量40GB)
- PS2対応USBキーボード(日本語106キーボード)
- PS2対応USBマウス(ホイール付き2ボタンマウス)
- PS2 Linux専用VGAアダプター(AVマルチ出力端子を、映像用D-sub15ピン、音声出力用ステレオRCAピンジャックに変換)
- 『PS2 Linux Beta Release 1』DVDディスク
『PS2 Linux Beta Release 1』DVDディスクには、PS2システムマニュアル、PS2ランタイム環境、『PS2 Linux Beta Release 1』インストールキットが含まれる。PS2システムマニュアルには、PS2のCPUである“Emotion Engine”やグラフィックスチップ“Graphics Synthesizer”などのハードウェアの情報が記載されている。PS2ランタイム環境は、カーネルの読み込みと起動、基本的な入出力などを行なう。
『PS2 Linux Beta Release 1』は『Red Hat Linux』系のLinuxをベースにしている。同Linuxを構成するコンポーネントは
- カーネル2.2.1および2.2.18の一部
- XFree86 3.3.6
- gcc 2.95.2
- glibc 2.2.2
- PS2専用低レベルグラフィックスライブラリー
- “Graphics Synthesizer”対応コンソール用ドライバー(X11上ではハードウェアアクセラレーションは無効)
などとなっている。映像は、専用VGAアダプター経由でパソコン用ディスプレーに出力する(※1)。X Window System使用時にはXGA(1024×768ドット)表示が可能。しかし、家庭用のテレビには出力できない。
※1 垂直同期、水平同期の各同期信号をグリーン信号に重ねて出力する“Sync on Green”に対応したパソコン用ディスプレーに対応また、『PS2 Linux Kit』には“gcc 2.95.2”などのLinux標準の開発ツールが用意されているため、プログラミングを行なうことが可能。ただし、SCEIがすべての権利を有しているソフトウェアコンポーネントに関しては、ソースコードは開示されていない。
対応機種は『SCPH-10000』、『SCPH-15000』、『SCPH-18000』で、PS2専用メモリーカード『SCPH-10020』が必要。専用ハードディスクをPCカードスロットに接続するため、PS2海外モデルと18日に発売された『SCPH-30000』には対応しない。
商品および販売の詳細については、プレイステーション・ドットコム・ジャパン(株)のウェブサイトで順次案内する。今回は1000セットの限定販売だが、SCEIはユーザーの要望次第で今後も継続的に販売するという。
