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アドビ、『Adobe Acrobat 5.0 日本語版』を発表、米ではPalm OS版も登場

2001年04月11日 19時39分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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アドビシステムズ(株)は11日、ドキュメント共有ソフト『Adobe Acrobat』の最新版である『Adobe Acrobat 5.0 日本語版』を発表した。27日発売で、価格はオープンプライス。アドビストア価格は2万8310円、アップグレード価格が9800円。

Acrobat5.0パッケージ
『Adobe Acrobat 5.0 日本語版』のパッケージ

Acrobat 5.0は、Microsoft Officeと連携し、OfficeがインストールされたパソコンにAcrobat 5.0をインストールすると、Microsoft Word/Excel/PowerPointのツールバーに、作成した文書をPDFに変換するボタンと、PDFに変換後メールソフトを起動しメールにPDFを添付して送信するといった一連の操作を自動で行なうボタンの2種類のボタンが追加される。PDF変換時の詳細設定が可能なメニューも追加される。タグ付きPDFも作成可能。

複数のユーザーが任意のPDFファイルをウェブブラウザー上で閲覧したり、オンラインでコメント(注釈)を付けたりすることが可能。また、ウェブ上のPDFファイルに公開鍵暗号化技術を用いてユーザー単位でのアクセス制御を行なうことが可能。内容変更の可否、印刷の可否などのアクセスレベルも設定できる。パスワードセキュリティ機能は、RC4暗号化技術の128bitキーを採用、独自の電子署名機能のほか、Entrust 5.0といったPKIシステム(電子認証基盤)にも対応している。

Acrobat5.0画面Adobe Acrobat 5.0の画面。オンライン上でPDFファイルを複数ユーザーで共有し、注釈を追加することが可能

各種申請書など紙のビジネスフォームをスキャナーなどで取り込み、PDFファイルに変換した後、フォームフィールドを定義することが可能。これにより、紙のフォームと同様にPDF上でデータ入力が行なえる。PDFフォームはODBC対応データベースやウェブサーバーとリンクさせることが可能。

さらにXMLをサポートしており、PDFフォームデータをXML形式で出力できるほか、PDF内の文書データをXMLのメタデータとして利用したり、XML文書をPDF内に埋め込める。

アドビの他製品との連携も強化し、アドビ標準のカラーエンジンを採用している。また、Illustrator 9.0やPhotoshop 6.0で作成した透明オブジェクトをPDFファイルへ変換/挿入させることも可能。また、OpenTypeフォントをサポートし、Macintosh TrueTypeフォントの埋め込みが行なえる。

さらに、Windowsのハイコントラスト機能をサポートし、PDF表示時に文字や背景の色をカスタマイズできる。そのほか、PDF内の画像を抽出し、TIFF/JPEG/PNG形式で保存できる。PDFページ全体を画像としてTIFF/JPEG/PNG形式で書き出すことも可能。

旧バージョンとのファイルの互換性は基本的に保たれており、旧バージョンのPDFファイルは5.0で利用できるし、5.0で作成したPDFファイルを旧バージョンで開くことも可能。ただし、透明オブジェクトを利用したPDFファイルは、旧バージョンで開くと透明に表示されないほか、128bitキーで暗号化されたものは旧バージョンで読み込めない。

Acrobat 5.0は、Windows版とMacintosh版が用意されており、対応OSはWindows版がWindows 95/98/Me/2000/NT4.0、Macintosh版がMac OS 8.6/9.0.4/9.1。ただしMac OS 8.6は、ウェブにアクセスして利用する機能(オンライン注釈機能など)については、Mac OSライブラリーがないため使用できない。Mac OS X対応版は現在開発中だが発表時期は未定という。

なお、PDFファイルを表示/印刷するためのフリーソフト『Acrobat Reader 5.0 日本語版』は、18日より同社サイトから無償ダウンロード可能となる。また、Palm OS用Acrobat Readerのβ版(英語版)が、米アドビシステムズ社のウェブサイトで10日(現地時間)よりダウンロードできるようになっている。

米アドビシステムズ社Joe Eschbach氏
米アドビシステムズ社ePaperソリューショングループバイスプレジデントのJoe Eschbach(ジョー・エッシュバック)氏。「パブリッシング市場は、従来のウェブパブリッシングからネットワークパブリッシングへと移行しつつある。アドビの考えるネットワークパブリッシングとは、いつでもどこでもどんなデバイスでも確実にコンテンツを伝えられること。ネットワークパブリッシングに必要な“ePaper”(電子文書)の条件は、ドキュメント内容を正しく保てること、セキュリティコントロールを保証できること、同じコンテンツをいろいろな環境で利用できること、さらにデータとして利用できることの4つ。これらを満たすのがPDFフォーマットだ」
アドビシステムズ堀社長
アドビシステムズ(株)代表取締役社長の堀昭一氏。「日本でも紙から電子文書への移行を行なうためのインフラが整ってきている。紙文書は保管が困難であり、電子化することで保管コストを削減できるほか、蓄積されていた情報の再利用が容易となる。PDFは紙文書から電子文書への移行が容易で、コスト負担もほとんどない。また、XMLに対応しており他の企業内システムとも連携可能だ。日本ではAcrobatの売上が倍増しており、Acrobat Reader 日本語版のサイトダウンロード数も月35万件を超える」

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