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IDCがプレスカンファレンスを開催

“Windows NT vs Linux 最新動向”

1999年04月15日 00時00分更新

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IDC Japan(株)は、米IDC社から上級副社長などを招いてプレスカンファレンスを開催した。米IDC社のワールドワイド・ソフトウェアリサーチ部門の上級副社長トニー・ピカルディ(Tony Picardi)氏は、“Windows NT vs Linux:市場における最新動向”をテーマに講演を行なった。

トニー・ピカルディ上級副社長
米IDC社ワールドワイド・ソフトウェアリサーチ部門 トニー・ピカルディ上級副社長

まず、ピカルディ氏は「'98年度、Linuxの成長率は前年と比べて212.5パーセント増となった。2003年までにはサーバーOSとしては他のOSを抜いて第2位、Windows NTと比べて10分の1のシェアを占めると予測される」と、Linuxの急速な成長率に言及した。

同氏はLinuxの普及の様子を3つの波に分けた。「第1の波は、Linuxがハッカーたちによって広めらたこと、第2の波は大学などの教育機関で受け入れられていったこと。現在はこの次の段階である第3の波といえる。それは、商業的な位置付けになりつつあるということだ。アプリケーションの移殖が始まり、より多くのベンダーがLinuxのサポートを発表している。IDCでもこうしたLinuxビジネスの相談をよく受ける」と語った。「当分の間、Windows NTの牙城を崩すことはないが、Linuxが更に多くベンダーに注目され、重要な位置付けになることは間違いない。多くはNTのサーバー代替OSとして使われるだろう」とした。

続いて、同氏はマイクロソフトと司法省の話題に移った。「司法省がマイクロソフトに危惧を抱いているのは、同社の独占力に対してだ。既に、クライアント市場における個人向けソフトウェアにおいて75~95パーセントのシェアを握る。シェア率よりもこうした独占力に着目している」

「司法省はこうした同社の独占状況を阻止するために、マイクロソフトの事業を分社化しようと試みた。それに対して同社は過去2回に渡って、“ポイズン・ピル(毒薬)”という方法で対抗している。“ポイズン・ピル”とは、買収される可能性のある会社が、自分の会社の魅力を落とすため事業を再編制することだ。これは結局マイクロソフトの司法省に対する先制攻撃だといえる」

「そのほか、マイクロソフトは、公式な場で“Windows NTの戦略的なオープンソース化を検討している”表明した。マイクロソフトにとって、Windows NTのソースコードを公開することは、メリットにもなり得るからだ。これまでよりも信頼性が向上すれば、ユーザーターゲットを広げることができる。また、これまで開発したアプリケーションという資産があるので、NTのソースを公開しても、これらアプリケーションの最適化を行なうことは可能だ」と説明した。「またユーザー側もバージョンアップを強要されることはなくなるし、UNIXのようにNTの信頼性もあがるはずだ」とメリットを説明した。

最後にピカルディ氏は、日本の講演にちなんで俳句形式でまとめた。

『Marketshare lameny』
“Software,Marketshare,such a sweet security,but the world will die.”

『マーケットシェア哀悼のうた』
“シェア独占 つかの間の 安堵感に浸る”――(「字余りすみません」通訳)

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