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東京ゲームショウ2008レポート 第5回

もはやDS以上? 進化したケータイゲームを見よ!

2008年10月09日 23時14分更新

文● 小西利明/トレンド編集部

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 据え置きや携帯型のゲーム機が主役の東京ゲームショウだが、もうひとつのゲーム機として存在感を強めているのが携帯電話機向けゲームだ。

 「ケータイ向けゲーム」と聞けば、シンプルで短時間プレイ、サイズも小容量といったライトゲームを思い浮かべる人が多いだろう。事実そういうゲームの方が多いのだが、今ではそういうゲームばかりではない。

 今回、NTTドコモとKDDI(au)ブースでは数多くのゲームが出展されていた(ソフトバンクモバイルは出展せず)。いずれも携帯電話機自体の性能向上に加えて、より本格的なネットワークゲームを可能にするサービスの提供によって、ニンテンドーDS顔負けのゲームが実現されている。もはや「たかがケータイゲーム」とは言えない。


「iアプリオンライン」でケータイでも
マルチプレイアクションゲームを実現

「I LOVE GAMES」「手のひらにゲームセンターを」をキャッチフレーズに掲げるNTTドコモのブース

「I LOVE GAMES」「手のひらにゲームセンターを」をキャッチフレーズに掲げるNTTドコモのブース。直前にiアプリオンラインを発表するなど、例年以上に力を入れている

 NTTドコモブースでは、6日発表された新アプリケーションサービス「iアプリオンライン」に対応したゲームを多数並べて、携帯電話機が優れたオンラインゲーム機でもあることをアピールしていた。

 iアプリオンラインは、同時に複数の端末同士でのリアルタイム通信を可能にするとしている。パソコン用ネットワークゲームでは当たり前だが、今までのケータイ向けゲームでは、リアルタイムのアクションゲームでスムーズな多人数同時プレイを実現するのは困難だった。それを可能とするサービスが、iアプリオンラインというわけだ。なお、iアプリオンラインの通信料は、パケット定額サービス「パケ・ホーダイ ダブル」の適用対象とのこと。「ゲームをやりすぎてパケ死」の心配は防げそうだ。

 例えばバンダイナムコの「機動戦士ガンダムオンライン」は最大8人が同時に対戦でき、3Dグラフィックで描かれたモビルスーツを操っての対戦アクションが楽しめる。

iアプリオンライン対応版の「バーチャロン」

iアプリオンライン対応版の「バーチャロン」。速度を稼ぐためか解像度は荒いが、意外に軽快に動いていて驚き。対戦アクションを実現するほど、通信のレイテンシーも少ないようだ

 セガはゲームセンターやセガサターンで好評を博した対戦型ロボットアクション「電脳戦機バーチャロン」のiアプリオンライン版を出展。さすがにゲームセンター並みとはいかないが、意外にもスムーズな動きでのリアルタイム対戦を実現していた。

 アクションゲームだけではない。ドワンゴ/チュンソフトの「風来のシレンPlatina2」や「悠久の騎士団」のようなRPGもあれば、スクウェア・エニックスの「いただきストリートMOBILE どんどん開店!増築中 通信対戦版」のようなパーティーゲームもある。ジャンルを問わず、リアルタイムのネットワークプレイができるゲームが、数多く対応を表明している。

ドワンゴのマルチプレイヤーオンラインRPG「悠久の騎士団」

ドワンゴのマルチプレイヤーオンラインRPG「悠久の騎士団」。すでにサービス中のゲームだが、iアプリオンラインにも対応する

「風来のシレンPlatina2」は他のプレイヤーのプレイを観戦する機能が

iアプリオンライン版の「風来のシレンPlatina2」は、他のプレイヤーのプレイを観戦する機能が備わる

 機動戦士ガンダムオンラインなどは、3Dグラフィックの品質も「ニンテンドーDS以上ではないか」というレベルを実現している。これに携帯電話機ならではの、場所を選ばない通信機能が加わるのだから、ネットワークゲーム機としての可能性は大きく広がるだろう。

 ただし、ひとつよく分からない点があった。事前の発表では、iアプリオンラインはNTTドコモのFOMA次期モデル(907i、707iと思われる)の発売に合わせて提供開始とされている(関連記事)。しかし、出展されていたiアプリオンライン対応ゲームの中には、既存のFOMA端末にも対応するものもある。例えば、前述の風来のシレン2の場合、「FOMA 903iシリーズ以降にも対応」とされている。悠久の騎士団のように、すでにサービス中のゲームもある。

バーチャロンをプレイしていた、謎の「FOMA次期モデル」

バーチャロンをプレイしていた、謎の「FOMA次期モデル」。中身が見えないようがっちりガードされていて、どんな端末かは分からないのが残念

 iアプリオンライン対応ゲームを既存端末で実行すると、なんらかの機能制限があるのか、あるいは通信機能は既存端末でもできるが、高度な3Dグラフィックを必要とするゲームは次期モデル端末が必要なのか。

 iアプリオンライン対応ゲームは、今冬からの配信開始が予定されている。携帯電話機の買い換えの際には、iアプリオンライン対応ゲームを快適にプレイできる端末を選ぶのも良さそうだ。

こちらはスクウェア・エニックスブースのケータイ向けコンテンツコーナー。PS2の人気アクションゲーム「キングダム ハーツ」シリーズをベースにした「キングダム ハーツ モバイル」をアピールしていた

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