アジア最大のIT・エレクトロニクス総合展示会「CEATEC JAPAN 2008」が、30日から幕張メッセで開幕した(10月4日まで)。PC分野では、NetBookやMID(Mobile Internet Device)の登場で、モバイルコンピューティングの話題が盛り上がっているが、日本のモバイルコンピューティングといえば高機能携帯電話の話題は外せない。
NTTドコモのブースでは、最新製品やソリューションをずらりと並べ……るのではなく、開発中の最新技術を中心に、携帯電話がこれからどう進化していくのかを示す、興味深い展示を行なっていた。
ここでは展示の中から、興味深い技術を2回に分けてレポートしたい。
ディスプレーが取り外せる! 合体分離ケータイ
一般的な日本の携帯電話機は、2つ折りタイプで片方がディスプレー、もう片方が操作部というスタイルが定番だ。しかしこの「セパレートケータイ」は、なんとディスプレー部と操作部が分離して使えるのだ!
通常はマグネットで合体しているディスプレーと操作部だが、ちょっと力を入れると簡単に外れる。ディスプレー部と操作部はBluetoothで接続されているので、切り離した状態でも操作が画面に反映される仕組みだ。ディスプレー部はタッチパネルになっていて、ディスプレーだけでも操作できる。
通常、携帯電話機で通話中は画面を見られないが、この方式なら画面を見ながら通話できる。保存したデータやメール、ウェブサイトを確認しつつ通話できるのは便利そうだ。操作部を鞄に入れておき、ディスプレー部だけを手に持って携帯音楽プレーヤー的にも使えると提案されていた。
またこの方式なら、用途に合わせてディスプレー部を変えることも可能だ。例えば、一般的な利用には付属の3インチ程度の画面を使い、ゲームをしたり動画を鑑賞する際には、より大きなディスプレーに接続して使うといったアプローチが提案されていた。ディスプレー部と操作部の通信はBluetoothなので、必要なソフトウェアさえ用意できれば、携帯電話の画面をBluetooth搭載のパソコン画面に表示することも可能だろう。
ケータイが車のキーになる!?
携帯電話機が車のキーになるという技術の展示が行なわれていた。「インテリジェントキー搭載ケータイ」と呼ばれるこの携帯電話機は、ドコモとシャープ、日産自動車が共同開発したものだ。日産が2002年から採用しているインテリジェントキーと呼ばれる技術を携帯電話機に組み込んで、「車のキー+α」の機能を持たせる試みである。
自動車の運転者がインテリジェントキー搭載ケータイを持ったまま車に近づくと、車と携帯電話機が直接近距離無線通信を行なって、自動的にドアロックが解除される。通信は無線で行なわれるので、携帯電話機はポケットの中に入っていてもいい。ドアロックの解除だけでなく、エンジンの始動キーとしても利用できる。
ただし、非接触ICカード技術を用いるおさいふケータイと違い、携帯電話機の電源がオフだと使えないのがネックだ。電池が切れて鍵が開きません……なんて悲喜劇をあり得るので、「通常の鍵が一切不必要」という程度まではいかない。
インテリジェントキー搭載ケータイはBluetoothを内蔵しており、車に乗り込むと自動的にハンズフリーモードに切り替わって、ヘッドセット等を使って通話できるようになる。さらにカーナビと通信して、携帯電話機内の楽曲をカーオーディオで再生したり、ケータイと目的地情報をやり取りするといった使い方も提案されている。車内携帯電話機を置き忘れそうになると、アラームが鳴って警告するといった機能も備える。
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