人が来ると画面が出る、いなくなると消える
── スイッチの類はないようですね。
森 基本、電源は付けっぱなしですね。常にオンにしておく。人感センサーがあるので、人がやってくるとパッと画面が出る。誰もいなくなると消える。
── テレビでネット接続できるアクトビラというサービスがありますよね。情報をテレビにそのまま出すことは考えなかったんでしょうか。
森 いまのテレビじゃできることが少なすぎるんですよ。とにかく遅い。ソニーのBRAVIAにアプリキャストという機能があって、割といいところに目を付けているなとは思いますが……。
テレビを見ながら情報を参照できるガジェットをやってみたかった。でも、テレビの上でやる路線はないなと思ったんです。だったら、テレビの近くに画面をもうひとつ作って、そこで何かやろうと。
テレビを展示してあるような店にこっそり置いてもらって、たまにCMを挟み込むとか、デジタルサイネージ的なものをやりたい。2ちゃんねるにもデイトレがいて、いろんな情報交換をしているんですよ。そういうのを株価の変動と合わせて表示しても面白いし……。
持ち運ぶのがガジェット、誰が決めた?
── 何か作ろうとすると、すぐ「ロボットだ」みたいな話になっちゃうでしょ。ガジェットにしたのがいいなと思いました。
森 ロボットもやってみたいですけどね(笑)。ANOBARについて言うと、電光掲示板にぴったりなFEDという表示デバイスがあった。これを使ったら、フォトフレームより尖った感じの面白いものができた。
── 最近はフォトフレームも盛り上がってますね。深センとかに行けば、それこそ山のように売ってると思いますが。
森 深センには行ったことがないですね。香港止まり。ただ、自分で作ったほうが面白いと思うんですよ。日本で育って、日本で作った。ソフトの部分を手を抜かず作るのが、最終的ながんばりどころですね。
個人的には、こういうパッケージングってあまりないと思うんです。ガジェットって言うと、手に持って歩けるものをイメージする人が大半でしょ? 「そんなルールはいつできたんでしょうか」って感じです。パソコンよりは小さいが、ケータイやモバイル機器より大きな製品でできることをいろいろやってみたい。
世の中に出ているものを組み合わせるだけでも、面白いものがいろいろ作れるんだから、そこを考えてみた。
── テレビと一緒に表示しているうちに、テレビ自体をみなくなったりしてね。小林幸子の衣装に文字を流してみたらどうですか(笑)
森 いいですね(笑)