先日発売されたソニーの「α700」(関連記事)。試用してみて「ある種の技術的なブレークスルーがあったな」という感想を持った。
新撮像素子の「Exmor」の技術的なアドバンテージに関しては、すでに詳しい説明を受けており、頭では分かったつもりになっていたが、実際の画像を目の当たりにするとその歴然とした違いにショックを受けてしまう。撮像素子から読み出した信号ではなく、撮像素子内でA/D変換するというのが、技術的な肝になっている。
今回は、実写画像をウェブに公開できる機材を借用できたので、最高感度であるISO 6400相当での画質や、「D-レンジオプティマイザーアドバンス」(以下D-R+)などの効果を確かめてみた。
D-レンジオプティマイザーの効果のほどは……
下の3つの写真は、すべて絞り優先AEモード(ISO 100、1/250秒、F8.0)で撮影したもの。1200万画素(4272×2848ドット)で記録したオリジナルデータをそのまま掲載している。レンズは「DT 16-105mm F3.5-5.6」(ワイド端)を使用した。
まず、D-R+の効果についてだが、従来機種「α100」よりもさらに精度が上がった印象がある。
写真1はD-R+をOFFにした状態での撮影。シャドーの部分がつぶれるギリギリのところだが、写真2の「D-R+ オート」ではシャドー部分と空のゲインアップが見られる。
一見すると、写真2の画像は単純に露出をオーバー目にしただけにも見えるが、詳しく見ていくと、実際のハイライト部分は影響を受けていないため、そうではないと分かる。試しにD-R+をマニュアル設定でLv5(最高値)にして撮影してみたところ、さらにシャドウ部分が明るくなったが、これでは若干明るすぎるような印象も受け不自然さを感じる。日中の撮影ではオートの設定が有効なのが感じられる。