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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第16回

まさかの「人間ボーカロイド」 プアミルクの奇妙な音楽論

2010年02月20日 12時00分更新

文● 四本淑三

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初音ミクが使えなかったので、人間で代用

ちょっと疲れてきた人間ボーカロイド(右)と、リラックスするボーカロイドP(左)

―― プロを目指していたのに、ダメじゃないですか。

人骨 ただ当時プロを目指していた友達も、さすがに8年も経つと挫折しているわけです。「お前、市民テニスサークルとかあるだろ、これからはああいう勢いで音楽やるんだよ」って。その連中に呼ばれて演奏しているうちに、昔を思い出して曲を書くようになってしまって。

―― ニコ動はどうやって知りましたか?

人骨 僕の弟がニコ厨だったんです。「ボーカロイドが盛り上がってる」って言うので見たら、オリジナル曲が沢山あって、しかも皆喜んで聴いている。こんな場所は他にないと思いました。

―― それで初音ミクを買ったんですか?

人骨 買ってないです。パソコンがヤバイんで。2002年モデルで何を入れても固まっちゃう。それに僕は60~70年代の音が好きで、打ち込みに馴染まない。やっても作り物みたくなってしまう。

―― そこで打ち込みとボーカロイドの代わりに、人力でやったのがプアミルク。

人骨 そうです。下手くそですが、楽器は全部弾けるので。本当はボカロPになれたら良かったのに、音の好みの問題で打ち込みが使えないP、だと思いたいです。だいいちバンド活動って、ほんと面倒くさい。言うこと聞かないし、日程も都合も合わないし、金も時間もかかるし、正直プレイの練習なんてどうでも良い。

最初にアップロードされたのは「バストサイズの格差」を歌った名曲「メグミルク」。実はまどちんさんの絵もこの頃から使われていた

―― そんなにバンドが嫌いですか。

人骨 メンバーが何人もいるでしょ? そこでいちいち意見の衝突とかしたくない。でもネットを見ると作曲の好きな人たちと初音ミクがいる。ニコ動のボカロの世界って、すごく良い世界だと思っています。

―― いま宅録はどんな機材でやっているんですか?

人骨 いまだにヤマハのAW16G(2002年発売の一体型デジタルMTR)でやっています。ギターは1万円で買ったやつだし、ベースは貰い物だし。でもドラムだけは奮発して買ったんですよ。RolandのV-Drumを。

あずき プアミルクを始めてから買ったんですよね。

人骨 やっぱりドラムが走ったりもたったりしないとダメなんですよ。

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