米国時間9月1日、NVIDIAが発表した待望の新シリーズGPU「GeForce RTX 30」。現在のところ「GeForce RTX 3090」「GeForce RTX 3080」「GeForce RTX 3070」の3モデルが発表されており、前世代のRTX 20シリーズから大幅なパワーアップを測っているのが特徴だ。リアルタイムレイトレーシング利用時の性能は従来製品比1.5~2倍、ワットパフォーマンス従来比1.9倍という衝撃的な宣伝文句と共に登場したこともあって、すでに話題を耳にした人も多いだろう。
この記事ではRTX 30シリーズのスペックや機能を確認するとともに、発売済みの「GeForce RTX 3080」などを利用した製品ベンチマークを実施し、その特徴に迫っていこう。
CUDAコアは従来比で倍増、RTコアとTensorコアの改良により性能が大幅アップ
RTX 20からおよそ2年ぶりの世代更新となった「GeForce RTX 30」シリーズ。新世代のGPUアーキテクチャ「Ampere(アンペア)」は、製造プロセスにSamsung Electronics製の8nmカスタムプロセスを採用しているのが大きな特徴だ。12nmで製造されていた前世代のTuringアーキテクチャよりもプロセスを微細化したことで、単位面積当たりのトランジスタ数が増加。それぞれのGPUのCUDAコア数を見てみると、「GeForce RTX 3080」は8704基で「GeForce RTX 2080 Ti」の倍、「GeForce RTX 3090」は10496基と、もはや比べるべくもないほどの差が生まれている。この事実だけでも、RTX 30シリーズのパフォーマンスの片鱗はうかがい知れるだろう。
リアルタイムレイトレーシング(DXR)に活用されるRTコアは「RTX 3080」が68基(RTX 2080 Tiと同数)、「RTX 3090」が82基と微増しているが、この世代ではRTコア、および深層学習に使われるTensorコアも世代が更新されている。要するに、あらゆる部分で前世代を凌ぐ順当な性能向上を果たしているというわけだ。特にCUDAコアとRTコアをフル活用できるレイトレーシング利用時のパフォーマンス向上は目覚ましく、従来比で2倍の性能差を発揮できるとしている。「RTX 3080」に関して言えば、シェーダープロセッサであるCUDAコアの処理能力は最大約30TFLOPS、RTコアは最大処理能力58TFLOPS、Tensorコアは238TFLOPSまで向上した。
高解像度・高画質でゲームをプレイするハイエンドゲーマーにとっては、まさに待望のGPUというわけだ。検証した限り、先行してリリースされている「RTX 3080」でも4K解像度でレイトレーシングを利用する際にカクつかないだけのフレームレートが出せるため、“真の4Kゲーミング時代”の到来を知らせるGPUが登場したと言ってもいいかもしれない。