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ASCII Power Review 第96回

2010万画素で階調表現もAF速度も万全なのである

EOS R6 実機レビュー = 超高バランスでフルサイズのお手本カメラだ!!

2020年09月25日 13時30分更新

文● 写真 岡田清孝 + 編集● ASCII PowerReview軍団

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 「EOS R6」はキヤノンのフルサイズミラーレス・ハイエンドモデル「EOS R5」と同時に発表された下位モデルである。

 「R5」が4500万画素の高解像度なのに対し、「R6」は2010万画素とスペックが控えめ。そのため少し地味に感じるかもしれないが、機能や画質、価格などのバランスを考えると、実は「R6」こそキヤノンフルサイズミラーレスの大本命ではないかと思うので、実機を借りて使ってみた。

量販店価格はボディーのみ33万5500円。「R5」とは約17万円の価格差がある。「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」とのレンズキットは37万9500円。ちなみに現在「R5」同様人気により品薄中。

R6はR5の影武者か? 双子の兄弟か? それとも??

 R6を正面から見た時のデザインは「R5」と酷似している。ボディーサイズはほぼ同等だが、重量は約58グラム軽量になっている。わずかな差だが手にしてみると、心持ち軽く感じられた。ただし高級感という点では「R5」に軍配があがる。

ボディーサイズは138.4(W)×97.5(H)×88.4(D)㎜。重量はメディア、バッテリー込みで約680g。

 「R5」に搭載されていた上面の液晶パネルは省かれ、同位置にはモードダイヤルが配置されている。やや廉価な印象を受けるが、上面液晶パネルに表示される撮影モードやISO感度、ホワイトバランスなどの設定は、EVFや背面液晶で確認できるので、実用上で困ることはなかった。

「R5」と外観上で違いがわかるのは上面で、液晶パネルのかわりに撮影モードダイヤルを装備している。

「M-Fn」ボタン

「R5」と同様にシャッターボタン脇の「M-Fn」ボタンを押すと、ISO感度やホワイトバランスなどの設定が呼び出せる。

 背面液晶は3.2型210万ドットから3型162万ドットにわずかにスペックダウンしているが、厳密に見比べなければ気が付かないレベルである。フリーアングル式のタッチパネルで、「R5」と同様の操作感だ。ボタン類もすべて同じレイアウトで、EOSシリーズ伝統の大柄の回転式電子ダイヤルやAF測距点選択ができるマルチコントローラーなど、キヤノン一眼レフのユーザーなら違和感なく使いこなすことができる。

背面の操作ボタン類は「R5」とまったく同じ配置。なお初期状態ではマルチコントローラーにAF測距点選択が割り当てられていない。自分で設定する必要がある。

液晶ディスプレーは3型162万ドットのタッチパネルを採用。メニュー画面もタッチ操作が可能。

「R5」の時も思ったが、もう数万円高くなっても構わないから、AF測距点選択ができるマルチコントローラーを、「EOS-1DX MarkⅢ」で採用したスマートコントローラーにして欲しかった。

 側面の端子では、シンクロターミナルが無くなり、さらにリモートレリーズの接点がミニピンタイプに変更され「R5」と共用はできない仕様である。外部ストロボやレリーズを多用しないユーザーなら問題ないが、プロの現場で使うことを考えると残念だ。

「R5」ではシンクロターミナルを装備していた位置にレリーズ接点が移動。端子もミニピンタイプに変更された。

 EVFの解像度は369万ドット。「R5」の567万ドットには及ばないが、それでも十分に高精細。倍率や光学系も同じなのでクリアな視認性が得られる。

 メディアはSDのデュアルスロット(UHS-Ⅱ対応)である。画素数が控えめなので、高速のCFexpressでなくても速度的には不満はないし、現時点では汎用性が高く価格も手頃なSDのほうがユーザー的には歓迎だ。

下位モデルではシングルスロットを採用するメーカーもあるが、やまりバックアップ記録が可能なデュアルスロットは安心感が違う。

 バッテリーは「R5」と同じ「LP-E6NH」を採用。公称値ではEVF使用で約380枚(ファインダー省電力設定時)と「R5」の約320枚より良くなっているが、実際に撮影してみた感覚では最新のミラーレスとしては少しスタミナ不足に感じる。長時間撮影をしたいなら予備のバッテリーを用意するか、USBのPD充電が可能なので、モバイルバッテリーを一緒に持ち歩くなどしたほうがいいだろう。

PD対応のモバイルバッテリーでの充電が可能。ただし充電ができるのは「LP-E6NH」を使用した場合で、従来のバッテリーではUSB充電は不可。

2010万画素という解像度、階調豊かでトビ・つぶれに強い
ひょっとして、フルサイズはこれがベスト?

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