台湾と言えばPCメーカーによるスマートフォンや、元はODMを手掛けていたHTCが有名です。今回紹介するInhonは台湾初の新興企業。価格競争の厳しい台湾市場でスマートフォン市場に参入した同社を振り返ります。
ODMから自社ブランド製品を投入、価格勝負で挑む
Inhonは2006年創業のメーカーですが、自社ブランドでの製品を投入し始めたのは2010年を過ぎてから。2013年に台湾市場向けにスマートフォンを投入します。初の製品「Papilio G1」はチップセットにメディアテックのMT6577クアッドコア1GHz、メモリ1GB、ストレージ4GB、4型800x480ドットディスプレーに500万画素カメラを搭載。カメラは99枚の連射が可能で大手メーカーとの差別化を図りました。
とはいえ新興メーカーがいきなり市場に参入してもなかなか消費者に認知されません。SIMフリー市場の台湾ですが、このPapilio G1は通信キャリア経由での販売を主としました。2年契約で無料のように、通信キャリア側も新規加入者獲得を目指す低価格機としてInhonの製品を採用したのです。上位モデルとして「Papilio G2」も投入。4.5型960x540ディスプレー、クアルコムSnapdragon S4 Playを搭載しました。
2014年には価格を半額近くに引き下げた「Papilio G3」を発表します。4.7型1280x720ドットディスプレー、MT6589Tクアッドコア1.5GHz、メモリ1GB、ストレージ4GB、800万画素カメラという構成で3980台湾ドル(約1万3000円)。G1/G2の順当な後継モデルと言えますが、価格の引き下げは意外なライバルの登場に対抗するためでした。
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