ギフティング(投げ銭的)のマネタイズ手段を備えるプラットフォームが増えたことによって、個人のライブ配信が盛り上がりをみせていますが、その人気と比べると、商品やサービスのプロモーションを目的とした企業のライブ配信はそれほど広がりをみせていないようにも感じられます。
もう少し正確に言うと、プロモーションを目的とした企業のライブ配信は、新しい事例が生まれても、継続が難しくて消えていくものも多いです。その結果、全体的な数としては(個人のライブ配信のように)急激な増加とまではいかないのが現状、と言えるのかもしれません。
その理由は明確で「費用対効果として、業績的にも成果がでている感じがしないから」のように感じます。さらに、テレビのようなマスメディアほどとまでいかずとも、視聴してくれる人の数もまだまだ一桁、二桁ぐらい増えてくれないと、「ライブ配信がプロモーションのひとつの手段として採用したり、継続したりできない」ということなのでしょう。
とはいえ、eコマースとライブ配信が掛け合わさった「ライブコマース」や「e-sports」をきっかけとするゲーム分野におけるライブ配信では、企業における活用事例がたくさん生まれています。
いち早く情報を伝達できることはライブ配信の最大の強み
ライブ配信はいま全盛時の時代。新年度となり、ソーシャルメディアや動画だけでなく、ライブ配信の仕組みも活用し、商品やサービスのさらなるプロモーションを進めていきたいと考える企業はおそらく潜在的に多いはずです。
だからといって、とりあえずライブ配信を始めれば良いか、というとそうではありませんし、もちろん、親和性がある分野と、そうではない分野があります。では、どのような分野の企業がライブ配信をプロモーションに活用していけるのかを、これまでの事例などを鑑みながら改めて考えてみます。
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