アスキースマホ総研・白書 第2回
空前の「Pokèmon GO」ブームはこれからどうなる?
いまさら聞けない「Pokèmon GO」の爆発的人気の実状に迫る! (1/3)
2016年08月17日 18時00分更新
モバイル業界のさまざまな発表会やイベントを取材し、四六時中スマホのことを研究し続けるチームがアスキーにいた! そう、彼らの名前は「アスキースマホ総研」。今回は、日本だけではなく、世界的に人気なスマホゲーム「Pokèmon GO」を解説。
一時の狂騒は過ぎ去ったが、いまだニュースなどで報道されることが多い「Pokèmon GO」。スマホゲームとしては異例のヒットとなっている、このPokèmon GOについてなぜ騒ぎになったのか、いま一度振り返ってみよう。
目次
Pokémon GOを開発したNianticってそもそもどんな会社なのか
実際にあった自治体や企業などの「Pokémon GO対策」
Pokémon GOがさらに発展する可能性の根拠とは
ログイン編集部のポケモンブームが明らかに!
位置情報ゲームの達人たちが開発したゲーム
Pokèmon GOは、iOSとAndroid向けに開発されたスマホゲーム。基本となるプレイ内容は、アイテムを使ってフィールド上に表われるポケットモンスター(以下、ポケモン)を集めるというもの。
フィールド上には、自分のあつめたポケモンを使って、ほかのプレーヤーとの取り合いが可能な「ジム」や、アイテムの補給ができる「ポケストップ」が配置されている。
ジムやポケストップは実際にある駅や名所、モニュメントなどが割り当てられており、いわゆる「位置情報ゲーム」としての側面もある。
ポケモンは日本発で、海外でも人気となったゲームだが、Pokèmon GOに関しては、アメリカのNianticと日本の株式会社ポケモンの共同開発となっている。
ただし、株式会社ポケモンは基本的にはキャラクターグッズの販売やライセンス管理などがメイン業務の企業。そのためPokèmon GOは、Nianticによるアメリカ生まれのゲームと言える。
Nianticは、Google Earthの前身となる「Keyhole」の共同創立者で、その後、Googleマップやストリートビューなど、グーグルの地図部門をけん引していた副社長のジョン・ハンケが立ち上げた企業(2010年の設立当初はGoogleの社内ベンチャー、2015年8月に独立)。
そのNianticが地図や位置情報サービスの高い技術力をもとに開発したのが、「Ingress」という位置情報ゲームだ。
Ingressは、実際の地図と連携したゲームとなっており、プレイヤーは世界各地に配置された「ポータル」をほかの陣営と取り合う陣取りゲームとなっている。
このポータルも、Pokèmon GOのジムやポケストップ同様、実際の駅や名所、プレイヤーが申請したモニュメントなどが利用されている。
というよりも、そもそもPokèmon GO自体がIngressのシステムをベースとして開発されており、いわば同じデータを活用しているわけだ。
Ingress自体は、IT系の情報に強い層には一定の人気となっており、位置情報ゲームの強みとして観光振興に活用したり、リアルイベントを開催して多くのプレーヤーを集めるなど盛り上がりを見せていた。
とはいえ、Pokèmon GOのように連日TVニュースなどで取り上げられ、普段スマホでゲームをしない層にも広がりをみせるほどの浸透はなかった。
これはやはり「ポケモン」という世界的ブランドの強さが大きい。日本で最初のポケモンのゲームがゲームボーイ向けに発売されたのが1996年2月。その後、テレビアニメがスタートし、幅広い年齢層に受け入れられ、現在にいたるまで続編や関連ゲームなどが多数販売されている。
これは海外でも同様で、1998年にアメリカでアニメとゲームの販売がスタート。世界各国もそれに続き、ポケモンは一大ブランドで共通言語となっているわけだ。
それでは、なぜ、そんな大人気の「ポケモン」と位置情報系アプリの匠が集まるNianticのコラボ作品に、批判や否定的な意見が目立つのだろうか?
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