DJコジマの作業“中”BGM 第7回
James Blake「The Colour In Anything」
ジェイムス・ブレイクは21世紀のブルー・アイド・ソウルか【倶楽部】
2016年06月30日 16時00分更新
Image from Amazon.co.jp |
ザ・カラー・イン・エニシング |
新時代の旗手、サード・アルバムを発表
ジェイムス・ブレイクは、今もっとも注目されているアーティストの一人、と言ってもよいでしょう。
テクノ・ミュージックの名門・R&Sレコーズからリリースした「CMYK」などのEPで注目を集めた彼。その時点ではダンス・ミュージック寄りの作風で「ポスト・ダブステップ」などと呼ばれたものでしたが、1stアルバム「James Blake」では、ダブステップを基調に、音と音の隙間を強調し、そこに自身の声、ビート、シンセ音を漂わせるような、独創的な作風に進化(深化?)しました。
収録曲の「The Wilhelm Scream」を聴いてみれば明らかです。音の数は少なく、スカスカとさえ言える。本人の歌声はうめくように何度も同じフレーズを繰り返し、そして徐々にオルガンの音にも似た音響の壁が空間を埋めつくす……。
2013年にリリースされた2ndアルバム「Overgrown」も好評で、英国でマーキュリー賞(英国もしくはアイルランドでもっともすぐれたアルバムに対して贈られる賞です)を受賞したのみならず、第56回グラミー賞においても最優秀新人賞にノミネートされたほど。ただ、本人はあまり受賞に興味がなかったようですが……。
■Amazon.co.jpで購入
ジェイムス・ブレイクユニバーサル インターナショナル
オーヴァーグロウンユニバーサル インターナショナル
そして2016年、3rdアルバム「The Colour In Anything」が届きました。聴いてみての率直な感想は、「じ、地味だ……」。いや、よいアルバムだと思います。しかし地味なのです。どうしてこうなっているのでしょう。
この連載の記事
- 第30回 ひんやり冷たく美しい、地上10cmのエレクトロニカ【倶楽部】
- 第29回 楽園ムードのさわやかラテンはクラブ世代の古典【倶楽部】
- 第28回 南国リゾート気分な音楽 スーパードンキーコング好きにも【倶楽部】
- 第27回 ビートルズの名曲をパイプオルガンで聴く【倶楽部】
- 第26回 地味だけどいいジャズ・ピアニスト、ドド・マーマローサ【倶楽部】
- 第25回 どっこい生きてた80's派手派手ポップABC【倶楽部】
- 第24回 昼寝にぴったりな音楽 夢と現実の狭間をただよう【倶楽部】
- 第23回 夜中に一人で聴きたい絶品カバーアルバム【倶楽部】
- 第22回 壮大すぎる音楽「Go」でまだ見ぬ世界へGO【倶楽部】
- 第21回 激遅「ジムノペディ」を楽しむ 雨音はサティの調べ【倶楽部】
- この連載の一覧へ