「docomo business SIGN」に“MEC×GPUaaS”のソブリンAI環境と大規模向け「Pro」プラン
フィジカルAI時代を見据え、NTTドコビジがNaaS基盤を強化 数万台のIoTデバイスをセキュアに管理
2026年09月28日 07時30分更新
フィジカルAIの進展に伴い、IoTデバイスのさらなる増加が見込まれている。一方で、セキュリティの担保や運用管理の負荷増が大きな課題となっていく。こうした未来を見据え、NTTドコモビジネスが、IoTやAI活用を支えるNaaS「docomo business SIGN」の機能拡充や新プランを発表した。
まず、2026年12月にはソブリンAIの要望に応える「MEC×GPUaaS」の機能拡充を行う。また2027年3月からは、数万クラスのIoT回線の運用やグローバル展開に対応する「Pro」プランを展開していく。
IoT&フィジカルAIサービス部長である小嶺一雄氏は、「IoTと呼ばれているデバイスが、だんだんとフィジカルAIに進化していく。認識から判断・実行までを一体化したフィジカルAIを支えていきたい」と語った。
フィジカルAIが求める高度な機能を“AIインフラ基盤”にオフロード
フィジカルAI環境の構築においては、「多層防御によるセキュリティ」や「複数ロボットの一括・協調制御」といった機能を常にアップデートし続けなければならない。しかし、こうした高度な機能をすべてロボットや産業機器に搭載するのは、コストやサイズの観点から言って現実的ではない。
NTTドコモビジネスの「AI-Centric ICTプラットフォーム」は、こうしたフィジカルAIで求められる機能を「as a Service」としてオフロード(肩代わり)するICT基盤だ。そして、この基盤の中でネットワーク・セキュリティ機能を担うのが、IoT向けのNaaSであるdocomo business SIGNである。
docomo business SIGNの特徴は、不正通信の検知・遮断などのセキュリティ機能を標準搭載し、用途に応じて多様な回線やインターコネクト、データ活用基盤を選択できる点にある。今回発表されたのは、フィジカルAI時代を見据えてた2つの機能拡充・新プランである。
オンプレミスでのソブリンAIの課題を解消する“MEC+GPUaaS”の新モデル
1つ目のアップデートは、IoTデータの収集からAI推論までをカバーするソブリンAI環境の提供だ。docomo business SIGNのモバイルネットワーク上のMEC(Multi-access Edge Computing)と同社のGPUaaSを直結させることで、新たなソブリンAIの利用形態を実現する。
ソブリンAIが求められる背景に、フィジカルAIの社会実装において立ちはだかる「3つの壁」がある。1つ目は、個人情報や機密情報の漏えいを防ぐ「データ主権」。2つ目は、AIの誤判断が事業停止や事故につながるからこそ必要な「安全性」。3つ目は、ビジネスの急成長や利用拡大にも耐えうる「スケーラビリティ」だ。
これらをオンプレミス環境で構築すれば、データ主権や安全性は確保できるものの、初期投資や柔軟性の面でスケーラビリティに課題が残る。一方のクラウド環境は拡張性に優れる反面、データの所在や通信経路・インフラのセキュリティに配慮が必要となる。
今回の「MEC+GPUaaS」という選択肢は、データはNTTドコモビジネスのキャリア網内で完結することでデータ主権を確立。さらに、閉域接続と各種セキュリティ機能で安全性も担保され、オンデマンドで動的にリソースが提供されるためスケーラビリティも確保できる。
小嶺氏は具体的なユースケースとして、自動運転バスの実装例を紹介した。車載カメラの死角となる路線や対向車、歩行者の状況を、沿線上のスマートポールで撮影。そのデータをGPUaaSでリアルタイムに分析・予測し、MEC上のアプリケーションで可視化すると同時に、走行中のバスにもフィードバックすることで、安全な自動運転を実現する。
こうしたソブリンAI構築のためのモデルは、docomo business SIGNの「Advance」プランの機能拡充として、2026年12月に提供開始される予定だ。なお、上述の自動運転バスにおける実証を基に、モビリティ分野のデータ伝送とリアルタイム可視化の機能群をパッケージ化して展開。さらに、自動運転の遠隔運行支援ソリューションを、グループ会社であるNTTモビリティが手掛けていく。
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