Kindle漫画セール情報「推し漫」 第269回
ただカッコいいだけの忍者漫画じゃない!『カムイ外伝』で白土三平が描いたものの正体【Amazonマンガ週末祭】
2026年09月13日 16時00分更新
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9月第2週(9月11~13日)の「Amazonマンガ週末祭」は、「懐かしの2000年代作品」特集。対象作品が全巻50%ポイント還元セールです。その中から、今回は白土三平センセイの『カムイ外伝』をご紹介。
『カムイ外伝』には、白土三平が「この漫画のすべて」とまで言った1ページがある
名前は聞いたことあるけど『カムイ外伝』をまだちゃんと読んだことがない、という人もいるでしょう。アニメ化もされ、タイトルや主人公のカムイくらいは知っている。けれど、実際にどんな漫画なのかまではよく知らない。そんな人に、この作品が何を描いているのかを知るのに、とてもいいエピソードがあります。
『カムイ外伝』は、当初、1965年から『週刊少年サンデー』に掲載された忍者活劇でした。同時期に連載された『カムイ伝』のスピンオフ作品で、主人公カムイは、天才的な忍術の才能を持ちながら、忍者組織を抜けた“抜け忍”です。足抜けを許さない掟により、組織から差し向けられる追忍に命を狙われながら各地を放浪し、「飯綱落し」など独自に編み出した忍術を駆使して、迫りくる追手と戦っていくという物語です。
基本的に一話完結のオムニバスで、話ごとに新たな敵や事件が描かれ、追跡、裏切り、忍術、死闘が描かれます。もともと『週刊少年サンデー』に掲載されたエピソード群である第1部は、ストレートに少年漫画としてかなり面白い時代アクション作品ですが、第1部の終了から15年後の1982年、連載の舞台を『ビッグコミック』に移した第2部が開始され、こちらはそれまでのわかりやすい忍者エンタメ路線から、一貫したテーマ性を持った大人向けの時代劇として再開されました。
そんな第2部の中の1編に、「飛天の酉蔵」というエピソードがあります。
ちょっとネタバレになりますが、飛天の酉蔵は、女であることを隠し、男として生きてきた殺し屋です。女が自由に生きることが難しかった時代に、自分の性別を押し殺し、男として振る舞うことで生き延び、復讐を目的に生きてきた人物でした。この物語の最後に、死を目前にした酉蔵が、カムイと共に崖から身を躍らせて「飛んでいる!」と叫ぶシーンがあります。
『カムイ伝全集 カムイ外伝』の第10巻に収録されたこの場面について、白土三平センセイは後年、「自己解放」と説明しています。女性であることで感じる不自由に縛られることなく、今ある境遇から抜け出したいという思いを、「飛びたい」という言葉に込めたのだそうです。そして、この1ページについて、「あのページがこの漫画のすべてです」とまで語っています。
『カムイ外伝』は、置かれた境遇から自由を求めて逃げ続ける人間の物語です。厳しい身分制度から抜け出すために忍者になり、その忍者の世界も、命令が絶対の上下社会で、言われるがままに人を殺し続けるしかなく、組織を抜けようとすれば追われる世界だった。
『カムイ外伝』は、自由になろうとするたびに、別の何かに追われる現状に抗い続ける姿を描いた作品です。この「飛天の酉蔵」の1ページは、自分を縛っていたものから一瞬だけ自由になった人間の姿を描いたもの。それがこの漫画のすべてなのです。
第1部と第2部はだいぶテイストが違うのでびっくりしないように(笑)
カムイ伝全集 カムイ外伝
白土三平 (著)
全11巻(完結)
12,100円 +ポイント還元 6,050 pt (50%)
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