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ストレスを溜めないAcrobat活用術 第4回

「Webサイトを全部PDFに」そんなムチャな要求も、Acrobatのページ変換機能なら楽々対応

2026年08月31日 11時30分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

提供: アドビ

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 本連載では、ビジネスパーソンが業務の中で直面するトラブルをAcrobatで解決するためのテクニックを紹介する。第4回はWebサイト内にあるすべてのページをPDFにまとめる方法について解説する。

Adobe Fireflyで作成

ページ数の多いWebサイトを1つのPDFにまとめる

 クライアントから、「公開中のWebサイトにある全ページを、1本のPDFにまとめてください」と頼まれたらどうすればいいだろうか。トップページだけなら、それほど難しくはない。しかし、会社概要や製品紹介、導入事例、採用情報、問い合わせページと対象が増えていくと、話は変わってくる。

 今回は、Webサイトのキャプチャを手動でPDF化する方法と、ページ数の多いサイトをまとめてPDF化する方法を紹介する。

画面の見た目をそのまま残すなら手動キャプチャ

 今見ているWebページをキャプチャするだけなら簡単だ。「Windows+Shift+S」キーで「Snipping Tool」を呼び出し、必要な範囲をドラッグすればいい。メニューを開いた状態や、ボタンにマウスポインターを重ねた状態などを撮る場合にも向いている。

「Snipping Tool」で画面の任意の範囲を手軽にキャプチャできる

 縦に長いページ全体を1枚で撮りたいなら、Microsoft Edgeのスクリーンショット機能が便利だ。対象ページを開き、画面右上の「…」メニューから「スクリーンショット」を選び、「ページ全体をキャプチャ」をクリックする。保存画面が開いたら、PNG形式で保存する。

 ページ全体のスクリーンショットを撮る場合は、あらかじめページを一番下までスクロールしておくのがコツだ。スクロールしたときに画像を読み込む「遅延読み込み」が使われているサイトでは、いきなりページ全体をキャプチャすると、一部の画像が空白になることがある。折りたたまれている説明やFAQをPDFに含めたい場合は、あらかじめ開いておこう。また、Cookieバナーや通知の許可画面、チャットサポートの吹き出しも閉じておいた方が見た目がよくなる。

Microsoft Edgeでは、「…」メニューから「スクリーンショット」機能を利用できる

 キャプチャ画像が1枚だけなら、Acrobatの「作成」メニューから「ファイル」を選び、「ファイルを選択」をクリック。保存したPNGまたはJPEG形式の画像を指定すると、1ページのPDFに変換できる。

 複数枚の画像をひとつのPDFにまとめるなら、Acrobatのメニューから「ファイルを結合」を選ぶ。「すべてのツール」から「ファイルを結合」を開いてもいい。まずは「ファイルを追加」をクリックして保存した画像をまとめて選ぶか、画像ファイルを画面へドラッグ&ドロップする。サムネイルをドラッグすれば表示順を変更でき、不要な画像は削除できる。並びを確認し、右上の「結合」をクリックしてPDFとして結合すると、複数のキャプチャ画像が1つのPDFにまとまる。

キャプチャ画像を読み込み、サムネイルをドラッグして順番を整える

複数のWebページのキャプチャを1本のPDFにまとめられた

 注意したいのがページサイズだ。縦に長いWebページを1枚の画像として取り込むと、PDFも細長い1ページになる。画面上で拡大して見る分には問題ないが、A4用紙へ印刷すると文字が極端に小さくなる。印刷される可能性があるなら、表示中の範囲ごとに分けてキャプチャするか、完成後にページを分割した方がよい。

Acrobat ProならURLからWebページをPDFに変換できる

 手動キャプチャは見た目のままPDF化できるが、ページ数が増えるほど手間も増える。また、キャプチャでは画像となるため、PDF内の文章の検索などもできない。サイト全体や連載の過去記事をまとめて保存したい場合は、AcrobatのWebページ変換機能がおすすめだ。

Acrobatを起動し、「作成」メニューから「WebページからPDF」を選ぶ

 URLの入力ダイアログが開いたら、PDF化したいWebページのURLを入力する。入力したURLのページだけをPDFにする場合は、「複数レベルをキャプチャ」にチェックを入れず、「作成」をクリックすればよい。リンク先のページも一度に取り込む場合は、「複数レベルをキャプチャ」にチェックを入れる。

 項目が展開されたら、「レベル数を指定」で取り込む階層を指定する。「1」では入力したURLのページのみ、「2」ではそのページから直接リンクされているページまで、「3」ではリンク先からさらにリンクされているページまでが対象になる。「サイト全体」を選ぶこともできる。

 ただし、あまりにも大量のリンクがあると処理が長時間続いたり、メモリーやストレージを大量に消費したりする可能性がある。まずは、2レベルから試して、必要な範囲を確認してから広げるといいだろう。

 不要なページの取得を避けるために活用したいのが、設定の「同じパス上にあるページのみ」と「同じサーバー上にあるページのみ」だ。「同じパス上にあるページのみ」を有効にすると、指定したURL配下のページに対象を絞れる。たとえば、製品ページのURLが「example.jp/products/」なら、「products」配下だけを取得し、採用情報やニュースなど別の階層まで対象が広がるのを防げる。

 「同じサーバー上にあるページのみ」を有効にすると、外部サイトへのリンクをたどらなくなる。SNSや動画サイト、グループ会社などへのリンクまでPDF化されるのを防ぐため、複数ページを取得する際は、基本的に有効にしておくとよい。

リンク先も取得する場合は、キャプチャするレベル数を指定する

 変換結果を調整したい場合は、「詳細設定」を開く。現在のAcrobatでは、Webページの変換エンジンとして「強化」と「クラシック」を選択できる。「強化」はWebページをより忠実にPDF化するためのエンジンだ。今回確認した環境では、初期状態で「強化」が選択されていた。

 ただし、「強化」を選ぶと、HTMLの変換設定や、しおり、PDFタグ、ヘッダーとフッターなどの項目はグレーアウトし、個別には変更できない。この状態では、「しおりの作成」と「新規ページにヘッダーとフッターを挿入」が有効、「PDFタグを作成」が無効の状態に固定されていた。まずは「強化」のまま変換し、元のWebページに近い結果になるか確認するとよい。

 しおりやPDFタグ、ヘッダーとフッターの有無を指定したい場合は、「タイプ」を「クラシック」に切り替える。クラシックでは、背景色や背景画像を残す「ページの背景を保持」、画像をPDFへ含める「画像を変換」、スクロール領域を広げる「スクロール可能なブロックを展開」などを設定できる。ページサイズや余白、印刷方向、横幅の広いコンテンツを縮小するかどうかも調整できる。

「強化」では詳細項目が固定される。個別に調整する場合は「クラシック」へ切り替える

 設定が終わったら「作成」をクリックする。取得するページ数が多い場合は処理に時間がかかるが、処理状況は「ダウンロード状況」画面で確認できる。

 作成されたPDFでは、キャプチャ画像をまとめた場合と異なり、基本的に文字を選択してコピーしたり、検索したりできる。Webページ内のリンクもクリックでき、しおりが作成されていれば、ページタイトルやURLを手がかりに目的のページへ移動することも可能だ。

変換後のPDFでは、文字検索やコピー、しおりによる移動ができる

 AcrobatのWebページ変換は便利だが、ブラウザーの表示を画像としてそのまま記録する機能ではない。AcrobatがURLからHTMLや画像を取得し、PDFのページとして組み直している。そのため、ブラウザー上の表示と完全に同じになるとは限らないので注意しておこう。

 変換後は、元のWebページと見比べながら、ページ数や画像、表、見出し、リンク、問い合わせフォームの表示などを確認しておくと安心だ。同じページへ複数のURLからアクセスできるサイトでは、似た内容のページが重複して取り込まれることもある。そんな時は、変換できなかったページだけを手動でキャプチャし、Acrobatの「ページを整理」から差し替えたり、削除すればいい。

 クライアントから「Webサイトを全部PDFにしてください」と言われても、絶望する必要はない。AcrobatのWebページ変換機能で、一気にPDF化してしまおう。

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