このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

太平洋海底ケーブルルート増強、NaaS新機能追加、耐量子ネットワークの現状など紹介

大阪~福岡間・600kmのネットワーク延伸も完了 Coltが最新動向を紹介

2026年04月24日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 「この4年間で(法人向けネットワークサービスの)マーケットは大きく二極化した」

 法人向けネットワークサービスを提供するColtテクノロジーサービスは、2026年4月22日、メディア向けの技術説明会を開催した。同社 代表取締役の大江克哉氏は上述のようにコメントし、「エンタープライズ」と「ハイパースケーラー」の顧客ニーズ二極化の動きに合わせ、Coltがあらためて“3つの柱”を成長エンジンに据える戦略をとっていることを紹介した。

 同説明会では、この3つの柱(インフラ/ネットワーク/サービス)のそれぞれにおける、Coltの最新の取り組みが紹介された。

Coltテクノロジーサービス 代表取締役兼アジア営業担当VPの大江克哉氏

エンタープライズとハイパースケーラー、顧客ニーズは「大きく二極化」

 Coltは現在、グローバル40カ国、230都市に接続拠点と自社光ファイバー網を持つ。そのうち、東京、大阪、ロンドン、パリなど52以上の大都市では、主要な商業ビルやデータセンターまでを自社ファイバーで接続するメトロエリアネットワーク(MAN)を構築している。Coltのネットワークが接続済みのデータセンター数は1100以上、商業ビルは3万2000以上に及ぶ。

Coltが保有するグローバルネットワーク、およびメトロエリアネットワーク/接続拠点を持つ都市

 このように、大都市を中心として自社ネットワークのカバーエリアを拡大していくというのが、Coltのこれまでの基本戦略だった。しかし、冒頭で触れた2種類の顧客、すなわち「エンタープライズ」と「ハイパースケーラー」のビジネスがそれぞれ成長し、それぞれ異なるニーズを持ち始めたことから、あらためて戦略を構築したと大江氏は説明する。

 顧客ニーズにどのような変化が起きているのか。まずエンタープライズ顧客においては、ネットワークサービスとSD-WANやSASEなどのマネージドサービスを統合させ、ワンストップで調達したいというニーズが拡大している。一方で、ハイパースケーラーでは、AI利用の増加を背景として大容量のネットワークインフラ、特に大陸間を結ぶ海底ケーブルに対する需要が急拡大しているという。

 このことからColtでは、従来の「ネットワークサービス」を中心に据え、下層の「コアインフラ」、上層の「サービス/ソリューション」と合わせた“3つの柱”を強化することで、成長をさらに加速させる新たな戦略にシフトした。

 「グローバルの営業組織も、今年の年始からインフラ専門組織、エンタープライズ専門組織の2系列をCEOの直下に置き、それぞれのターゲット顧客にフォーカスする形をとっている」(大江氏)

Coltが成長エンジンと定める“3つの柱”

ネットワーク:NaaSをさらに進化、海底ケーブルの「経路選択」が可能に

 「ネットワークサービス」の領域では、必要な帯域幅や接続を迅速に発注できる「Colt NaaS(Network-as-a-Service) On Demandネットワーク」をさらに進化させている。今回は、新機能「Colt Customer Defined Routing(Coltお客様指定ルーティング)」が紹介された。

 Colt NaaS On Demandは、顧客自身が専用ポータルやAPI経由で必要なネットワークの発注を行うと、SDNで自動化されたネットワークが迅速にそのネットワークを構成し、利用可能にするサービスだ。たとえば帯域幅の変更や、主要データセンター/クラウド接続ポイント(POP)への接続を、数分程度で実現する。さらに、企業拠点へのネットワーク敷設も、これまで手作業だった設定部分が自動化されることで「25%の納期短縮」が実現できるという。

回線帯域の拡縮、データセンター/クラウドPOPへの接続がポータルやAPI経由でコントロールできるNaaSを提供

 今回新たに発表したCustomer Defined Routingは、大陸間海底ケーブル経由の長距離ネットワーク接続において、顧客自身が標準経路以外の経路を指定できるNaaSの機能だ。顧客は、NaaS On Demandの管理画面で利用可能な経路が確認できる。このとき、あらかじめ経路ごとのレイテンシ(遅延時間)やCO2排出量も表示されるので、これを参考に経路を選択すればよい。

 この新機能により、たとえば「地政学リスクの高い地域を迂回したい」「データ主権の観点で、トラフィックを特定の国/地域内に制限したい」「環境負荷のより少ない経路を選択したい」といった、特別な顧客ニーズにも対応できる。

新機能「Customer Defined Routing(お客さま指定ルーティング)」の概要

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    「原則出社」命じる企業とテレワーク社員の意識ギャップ/“推し活依存”自覚するZ世代が2割/シニアの利用が盛んな○○アプリ、ほか

  2. 2位

    データセンター

    600km超離れたデータセンター間でシステム全体を「完全自動復旧」 日立・NTTドコビジらが実証に成功

  3. 3位

    ビジネス・開発

    物流、病院、家事まで変える“フィジカルAI”最前線 AWSが支援する日本企業14社の挑戦

  4. 4位

    ITトピック

    SaaSに代わりAIエージェント支える“AaaS”が台頭/議事録作成AIは「意思決定支援」へ進化/生成AIの顧客満足度・1位はClaude、ほか

  5. 5位

    sponsored

    Active Directoryがサイバー攻撃の標的となる理由とその対策

  6. 6位

    TECH

    フロンティアAI対策を国内組織はどう捉えているか “内製化への意欲”と待ち望む“政府主導のガイドライン”

  7. 7位

    ビジネス・開発

    フィジカルAIを支える「攻めのIoT基盤」と「守りのOTセキュリティ」

  8. 8位

    sponsored

    高齢者をポットで見守る「みまもりほっとライン」 25年続く「サービスの温もり」とは?

  9. 9位

    デジタル

    Dropbox Protect提供開始 “過剰なファイル共有”をすべて把握し情報漏洩リスクを低減

  10. 10位

    デジタル

    「ツールは入れて終わりじゃない」 香川の建設コンサルが利用率1割だったkintoneを全社基盤に育てるまで

集計期間:
2026年09月01日~2026年09月07日
  • 角川アスキー総合研究所