長距離実証での実証を重ね「ダム工事の無人化」を目指す
重機3台の遠隔施工をオペレーター1名で NTTと大成建設がIOWNדローカル5G/WiGigの使い分け”で実現
2026年04月13日 07時30分更新
長距離間での実証を重ね「ダム工事の無人化」を目指す
このようなIOWN APNと複数無線(ローカル5G、WiGig)を組み合わせた環境下で、1人のオペレーターが1台の操作卓を通じて、3台の重機による一連の施工工程を遠隔操作・自動制御することを実証している。
具体的には、油圧ショベルによる土砂の掘削・積み込みから、クローラー型ダンプによる運搬までを遠隔操作で実施。その後のブルドーザーによる敷きならしは自動制御で行われた。遠隔操作拠点のオペレーターは、複数のカメラ映像を確認しつつ、重機の制御機能を切り替え、一連の作業を完遂する形だ。
結果、IOWN APNとWiGigを組み合わせたEnd-to-Endのネットワーク区間では、伝送遅延は数ミリ秒(msec)程度、ジッタは数十マイクロ秒(μsec)程度を確保でき、リアルタイムな映像伝送を行いながら、重機の旋回や移動といった遠隔操作が可能なことを確認している。「特に映像のカクつきや停止が操作に影響する。今回、ジッタを抑えられたのが大きなポイント」(坂本氏)
また同時に、3D設計データを活用した「MC(マシンコントロール)」および「MG(マシンガイダンス)」機能についても、問題なく機能することを確認している。MCは、設計データに基づき重機を自動制御するシステムで、ブルドーザーによる敷きならしに適用。MGは、設計データに基づき遠隔操作を支援するシステムで、油圧ショベルによる土を掘削時のナビゲーションに用いられた。
この仕組みは、事前にドローンで地盤データをオフィスに送信し、高性能PCで作成した3D設計データを重機側に反映することで実現している。こうした大量データの授受にIOWN APNを活用した結果、従来と比較して約8分の1の時間短縮に成功している。
さらに、ローカル5Gを活用した重機の「長距離移動」の実証も行われた。約300mの実証現場全体をローカル5Gでカバー。通信を維持したまま、GNSS(衛星測位システム)に基づく重機の位置情報を遠隔拠点に伝送しつつ、遠隔操作による長距離移動が可能であることを確認している。
今回は最初のステップとして、三重県内の短距離区間で実証しているが、2026年度では遠隔制御介入などを含む長距離区間での実証を重ねていく。坂本氏は、「2027年度には、大成建設がSIP(内閣府の『戦略的イノベーション創造プログラム』)で取り組むダムの堆砂除去工事への適用を目指したい」と展望を語った。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります








