シャッター窓部分をカスタマイズして楽しめる
そしてこの製品の最大の遊びポイントが、シャッター窓部分のカスタマイズである。好きな画像や写真を取説に記載された寸法で切り出して差し込むことで、自分だけのフロッピーが完成する。デジタル仕様満載の中のレガシーなアナログ作業が最高だ。出来上がった姿を見ると、もはやストレージというよりコレクティブアイテムの領域だ。
とはいえ中身は真面目である。筆者のモバイルPCであるThinkPad X1 nanoでベンチマークを取ると、シーケンシャルで約1000MB/s前後。USB 3.2 Gen2(10Gbps)の上限に迫る素直な性能だ。
さらに面白いのが拡張性だ。市販のMagSafeキットを背面に取り付けることができる。貼り付ける位置は背面に描かれているフロッピーディスクの磁気シート円盤とほとんど重なるので極めて容易だ。これによりスマートフォンとの組み合わせが非常に実用的になる。
MagSafeで固定すると、持ち運び時の一体感が一気に向上する。外付けSSD特有の「ぶら下がり感」が消えるのは想像以上に快適でスマートだ。
実用性だけでもノスタルジーだけでもない楽しい気分になるガジェット
実用性だけで言えば、もっと小さくて高速なSSDはいくらでも存在する。しかし、それでは面白くない。この製品は「速いストレージ」ではなく、「語れるストレージ」なのだ。机の上に置くだけで会話が生まれ、どこにでも持って行けるコンパクトさ、使うたびに少しだけ楽しい気分になる。そういう価値を持っている記録ガジェットだ。
ただひとつ惜しい点を挙げるなら、USBポートの位置だ。本製品ではディスク下側に配置されているが、これがシャッター付近にあれば、3Dプリンターで「フロッピードライブ風の専用2.25インチFDリーダー」を自作したくなる。これは本気でそう思った。ハギビス社は真面目な会社なのか、USBポートの位置は基板レイアウト上、なんらかの理由があるのか超文系の筆者にはわからない。
クラウド全盛時代ではあるが、いざという時にはスマホからでもPCからでも大容量のデータをコンパクトに持ち出し持ち運べる機能はやっぱり重要だ。そんな実用的な理由を後づけしつつも、本音はただひとつ。「この見た目にやられた!」。それで十分だ。衝動買いとは、やはりこういうモノであってほしい。

今回の衝動買い
・アイテム:フロッピーディスク SSD エンクロージャ
・購入:AliExpress(メーカー:ハギビス)
・価格:2790円(2026年3月7日)
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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