クリエイター・ビジネスパーソン・マーケターを支える“相棒”としての進化
アドビのAIツール“現在地” Fireflyのモデル戦略からAcrobatのプレゼン生成、GEO対策まで
2026年03月31日 10時00分更新
ビジネス文書にまつわる負荷を軽減 プレゼン生成機能も間もなく
続いて、Business Professionals & Consumers領域の進捗が語られた。
Adobe Acrobatを中核とする同領域でのAI機能は、デジタル化に伴うユーザーの負荷をいかに減らすかに焦点をあてている。それは、世界のPDFの数が約3兆に達し、2025年から2029年にかけ、消費されるデータ量が約3倍に増加するという状況が背景にある。
アドビのカスタマーマーケティングマネージャーである原渓太氏は、「生成AIには、魔法のように色々なものを生成するイメージがあるが、ビジネスプロフェッショナルが最も期待しているのは“時短効果”」だと強調する。
こうした中でAcrobatでは、文章の読解に特化した対話型AIを実装している。AIによる自動要約で読む作業を高速化して、複数資料を横断した分析も可能だ。さらに、質問や壁打ちを通して理解を深め、情報共有までスムーズに完結できる。
こうしたコンセプトを象徴するのが、Acrobat Studioの「PDFスペース」だ。アップロードしたPDFやドキュメントをナレッジとして蓄積し、これらを対象にAIが質問の回答や要約、提案などをしてくれる。説明会のデモでは、英語の契約書から昨年との差分を抽出してもらい、その内容をメモに保存・共有するという一連のフローが披露された。
また、近日中には、PDFスペースのナレッジからプレゼンテーションを生成できる機能の日本語版も登場予定だ。プロンプト入力やテンプレート選択から数クリックで生成可能で、アウトラインはAdobe Expressで編集できる。
クリエイティブ×マーケティング×AIを連動 AI時代のマーケティング手法もカバー
最後にMarketing Professionals領域の現状だ。AIの登場で顧客の購入プロセスが変わる中で、顧客体験や企業の生産性を高めるためのAIソリューションを提供していく。
同領域で掲げているのが、クリエイティブとマーケティング、AIを融合して、リアルタイムでパーソナライズされたデジタル体験を届ける「Customer Experience Orchestration」という概念だ。
これは、リアルタイムのインタラクションから顧客の意図を理解する「顧客エンゲージメント」、大規模なパーソナライゼーションを実現する「コンテンツサプライチェーン」、AI時代においてブランドの認知を高める「ブランドの可視性」の3つの柱からなり、それをアドビのAI基盤が支える形で構成される。
この柱の中から紹介されたのが、ブランドの可視性における「Generative Engine Optimization(GEO)」だ。生成AIにブランドが参照しやすくするための新しいマーケティング手法である。アドビの調査では、2025年10月にLLM経由のトラフィックのコンバージョン率が、その他の流入経路を上回り、この傾向はさらに加速すると見込まれている。
このGEOを実践するためにアドビが提供するのが「Adobe LLM Optimizer」だ。同ツールでは、LLMでブランドがどのように扱われているかを可視化して、コンテンツや技術面、そしてアーンドメディアの3つの観点から、改善案を提示する。
アドビのソリューションコンサルティング本部 今井裕志氏は、 「ブランドサイトの観点では、LLMは非常に重要なチャネルになっている。このチャネルをいかに最適化していくかが、これからのチャレンジ」と語られた。
その他にも顧客エンゲージメントにおいては、データ分析やターゲット選定、ジャーニーやコンテンツ作成などを支援するAIエージェントやそのオーケストレーターを提供中だという。
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