バルミューダは3月18日、新製品「The Clock」(ザ・クロック)を発表した。1日のさまざまな場面で「良い時間」を過ごすためのプロダクトとして開発されたアラームクロックで、価格は5万9400円。同日よりバルミューダオンラインストアや旗艦店BALMUDA The Store Aoyamaなどで予約販売を開始し、4月中旬から順次出荷する。
置き時計なのにステレオスピーカー搭載。音、良すぎ
発表会で実機を手に取って、まず「おっ」と思ったのがその素材感。アルミニウムの削り出しで作られたボディは手のひらサイズの7.5cm幅、重量は約259g。テクスチャーブラストやアノダイズ処理によるやわらかい色調がきれいで、懐中時計から着想を得たというデザインには、どこか愛着のわく丸みがある。
そして何より驚いたのが、音。このサイズにウーファーとツイーターを備えたステレオスピーカーを積んでいる。置き時計にステレオスピーカーである。正直、ムダに音がいい。背面のスリットから響くアラーム音に、「え、これ置き時計ですよね?」とビックリ。もともとミュージシャンとして活動していたバルミューダ代表の寺尾玄氏らしいこだわりが、ここに詰まっている。
音源はプロのミュージシャンによるオリジナルだそう。雨音にコオロギが重なる「Long Rain」、焚き火とピアノの「Lodge」、大河を手漕ぎボートで進む水音の「Infinity Boat」など7種類以上を収録する。発表会で聴いた「Milan」はミラノの朝がテーマで、蒸気の音、鳥のさえずり、遠くの列車の音が少しずつ重なっていく。アラームは設定時刻の3分前から環境音が静かに流れ始め、徐々に大きくなって起こしてくれる仕組み。毎朝スマホのアラームで「ウッ」となっている身としては、ちょっとうらやましい目覚め方だ。
針もカバーもない。光だけの文字盤「Light Hour」
文字盤には針もカバーガラスもない。75個のLEDが直接光って時刻を表示する「Light Hour」という仕組みで、毎正時にはチャイムと光のモーションで時報を知らせてくれる。照度センサーで自動調光するので、寝室でもまぶしくない。正直、写真だと良さが伝わりにくいので、店頭で実物を見てほしいタイプの製品だ。
機能は「Relax Time」「Alarm」「Timer」の3つ。Relax Timeは環境音と光で空間をリラックスモードにしてくれるもので、発表会では「開発の原点は"眠りにつくための時計"だった」と語られていた。タイマーは最大60分、ホワイトノイズで集中を助けてくれる。専用アプリ「BALMUDA Connect」でアラームを3つまでプリセットでき、セカンドタイムゾーンの設定にも対応する。
バッテリーは短いけど、旅先に連れていきたい
旅行用の置き時計として見ると、The Clockにはうれしいポイントがいくつもある。まず、アプリと連携すれば時刻がスマートフォンと自動で同期される。つまり本体を操作して時刻合わせする必要がない。海外旅行でサマータイムの開始や終了をいちいち気にしなくても、スマホさえ同期していれば自動で切り替わる。アラーム時計としてこの使い勝手の良さは優秀。
さらにタイムゾーンを指定して、好きな都市の時間に設定することもできる。加えて「セカンドタイムゾーン」表示にも対応しており、本体のクラウンを1回押すだけで第2の都市の時刻をさっと確認できる。日本時間と現地時間を行き来する海外出張で、この機能はとても実用的でありがたい。
玉にきずは連続使用時間が約24時間ということ。USB Type-Cで充電でき、フル充電まで約2.5時間なので毎日の充電は必須になる。ここだけはちょっと惜しい。
それでも旅先に持っていきたい。収納袋が付属していて、バッグにスッと入るサイズ感がうれしい。ホテルの枕元に置いてRelax Timeを流しながら寝る、タイマーでホワイトノイズを流しながら窓辺で読書、なんて使い方もよさそう。スマホのけたたましいアラームとは対極にある朝をThe Clockが届けてくれそうだ。アルミ削り出しの質感と重量感は、まさに「自分のバディ」。日常のベッドサイドにも、旅先にも連れていきたくなる一台だ。
5万9400円というプライスに一瞬躊躇(ちゅうちょ)するが、このアルミの塊を手にすると「まあ、いっか」と思えてしまうのがバルミューダの恐ろしいところ。
5月以降にはアメリカ・韓国でも展開を予定しており、全国の時計専門店での販売も計画中しているそうだ。


















