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AIが15万字の小説を1週間で執筆──「Claude Opus 4.6」が示した創作の未来

2026年03月16日 07時00分更新

文● 新清士

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AIが1週間で15万字を執筆

 Opusで書いた13話~50話の約15万字(文庫本1冊分相当)にかかった時間は約1週間。密度は濃いものですが、人間でこの速度で書くことは間違いなく不可能です。人間が単独で書けば、半年はかかるのは普通でしょう。

 筆者は、異世界転生小説をどれぐらい書いたと言えるでしょうか。アイデアは筆者が出し、常に出てきたものの方向性には、指示を出して修正をしてきています。しかし、実際の本文はOpusが書いたものです。ディレクターや編集者の立場とも言えますが、どこまで創造性を発揮したと言えるのでしょうか。

 すでにカクヨムなどの投稿サイトに投稿されている小説には、AI小説を見るのも普通になりつつあります。上位に食い込み始めている作品も少なくありません。品質も、Opusのレベルに到達すると、人間とAIのどちらが書いたかを厳密に判定することは、ますます難しくなっていくのは間違いないでしょう。

 2016年に囲碁AI「AlphaGo」が李世ドルに勝利し、2017年に将棋AI「Ponanza」が佐藤天彦名人に勝利し、以後、この分野では人間にはAIに勝てなくなりました。1月にAnthoropicのダリオ・アモデイCEOは、社内のコーディング作業は70〜90%がAI製であると発言しました。そして、2026年の現在、小説についても、AIに人間が勝てない時代が来たのかもしれません。

 ただし、AIに勝てない状況が来ても、その分野の終わりを示しているとは思えません。藤井聡太竜王・名人が将棋AIを利用して自らを強くしていき、2023年に史上初の八冠独占したことを挙げるまでもなく、AIを利用してさらなる高みを目指す時代に移ろうとしていると捉えるべきなのでしょう。ただ、それがどんな世界なのかは、まだ誰にも明確には言えません。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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