小説に強い秘密は「mdファイル」
Claude Code環境のOpusが小説を執筆するのに強い理由は、AIエージェントとして複数のファイルを読み込んでコンテキストの連続性を維持できるからなのは間違いありません。
Visual Studio Code(VSCode)環境で使うClaude Codeには、「CLAUDE」という、技術設定・基本ルール・設定を定めたドキュメントが定義されています。「.md」はマークダウン(Markdown)方式という軽量なテキストファイル形式で、AI用にテキストファイルとして一般的なものです。「MEMORY.md」というファイルもあり、こちらにはそのプロジェクトでの出来事やルールが整理されています。どちらもセッション開始時に読み込まれるため、AIエージェントの連続性を保つことができます。もちろん、これらのテキストは人間が書いても構いませんが、AIに任せて執筆させ、時折内容を見て修正するという運用で十分です。
Opusは、1セッションのコンテキスト量が100万トークンを上限としているため、それが一杯になると自動的に圧縮がかかり、詳細の情報が落とされた状態で、新しいセッションが始まるのですが、開始時に必ず読み込まれる設定があることで、AIエージェントの一貫性を保つことができるのです。
の機能は2月に登場したばかりですが、非常に強力です。というのも、サブのMDファイルを用意して、特定の仕事を行わせる際には、その命令を呼び出すことができるのです。現在のLLMの限界は、コンテキスト量が無限ではないので、AIに一度に多くのことを記憶させることができないという課題がありました。ところが、MEMORY.mdは電話帳的な機能でもあるので、そこに「小説を書かせるためのルール」をまとめた別のmdを「小説を書く作業をする」ときだけ呼び出すことができるのです。そうすることで、コンテキスト量の消費をセーブして、さらに一定の記憶を適切に持ち続けるAIエージェントという存在を成り立たせているのです。
これは、Web版の多くのLLMが抱えているセッションが変わるごとに一貫性が切れてしまうという課題を乗り越え、かなり複雑な計画を立て、長時間にわたりコーディング作業を続けさせることができます。Claude CodeとOpusで長文小説が書けるのは、その副産物と言ってもいいかもしれません。
もちろん、これらのファイルは自分で作成する必要はなく、Opusに指示すると自動で作成してくれます。それらを直接修正していってもいいですし、やり取りの中で発展させても構いません。使い込めば使い込むほど、CLAUDEとMEMORY.md、作り出された追加MDのなかに筆者の癖が組み込まれ、より使いやすいものになり、自分の求めるエージェント像に近づいていきます。MDファイルを階層的に持つことで、記憶をAIが持つと非常に強力なのです。
ただ、Claude CodeでOpusを使う場合には、月額20ドルのProプランでは上限にすぐに達してしまいます。事実上、100ドル以上のMaxプランを使うのが前提となっています。しかし、一度AIエージェントの強力さを体験すると、まだ匹敵するサービスがないこともあり、継続利用しようと筆者は考えています。それぐらい費用をかけても使い続けたいと思わせる魅力があります。
その結果できあがった原稿は、三人の掛け合いを通じて、新しいパーティの旅の滑り出しとしては、かなり質の高い文章になったと思います。Geminiではまだここまでは到達できません。そして、筆者にもこの文章がすんなりと書ける気がしません。







