このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

ロボタクシーに乗った! UberとWeRideが切り開く自動運転サービスの最前線

2026年03月09日 10時30分更新

文● 山本 敦 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ロボタクシーを選んで乗りたくなる

 約15分間のライドはとてもスムーズで快適そのものでした。筆者はもうアメリカで何度か完全自動運転車両を経験していたので、「運転席に誰もいないままクルマが動いていること」に対する違和感はとくに感じませんでした。

 今回はデモンストレーションのため、UberのAutonomous部門シニア・ディレクターであるノア・ジッチ氏が同乗してくれました。もし、この広々としたGXRを独占しながら乗ることができたら、広い車内で歌をうたったり、仕事したり、移動時間を自由に思いのまま過ごせそうです。最高のプライベート空間と言えます。

Uber

車内の端末でエアコンの温度設定などが可能。音楽配信サービスも使えるようになる予定です

 特に海外でタクシーを利用する際、ロボタクシーであれば不慣れな言語でドライバーと会話を交わす必要がないので、コミュニケーションによるストレスからも解放されます。アブダビでは同一のルートで比較した場合、最もスタンダードな「UberX」に対して「Autonomous」のオプションを選んでも、3~5AED(UAEディルハム:1AEDは約42円)ほどロボタクシーの方が高値にはなりますが、一度この快適さを体験してしまったら、今後筆者は迷わずロボタクシーを選択すると思います。

 乗車中に、ロボタクシーの優位性を実感する出来事もありました。交通量の少ないヤス・アイランドの道路を走行中、人間のドライバーが運転するマイクロバスが不必要に接近し、筆者たちが乗車するクルマにクラクションを鳴らしてきたのです。こちら側には速度や進路において何の落ち度もありませんでした。こうしたエチケットを欠いた運転がきっかけになり、大小さまざまな事故につながることも少なくありません。

 対照的にロボタクシーは周囲の状況を冷静に把握し、プログラムされた通りに淡々と安全な走行を維持します。人による運転とどちらがより安全なのだろうかと、あらためて考えさせられるハプニングでした。

Uber

ロボタクシーの運転状況を常時モニタリングできます

2026年内には世界15都市に自動運転サービスを拡大

 今回の体験走行に同乗したUberのAutonomous部門シニア・ディレクター、ノア・ジッチ氏は、WeRideのGXRによるUberのロボタクシーサービスが「安全性への配慮を徹底している」点を強調しました。

Uber

試乗をガイドしてくれたUber Technologiesのノア・ジッチ氏

 たとえば、乗車した全員がシートベルトを着用しなければ車両は発進しません。車内の音声や映像も、事故などの緊急事態を除いてリアルタイムで監視されることはなく、プライバシーへの配慮も徹底されています。

 Uberは2026年末までに、アブダビやドバイを含む世界15都市で自動運転サービスを拡大する計画を発表しました。さらに2029年までには、商用自動運転トリップにおける世界最大のファシリテーターとなることを中期目標に掲げています。

 自動運転車両によるロボタクシーは、日本にとっても重要な意味を持つサービスです。

 日本の都市部ではタクシードライバー不足が深刻化しており、増加するインバウンド需要に十分応えきれていない現状があります。観光地における「旅行者の足」として、あるいは地方で高齢者の移動を支える公共交通の補完として、ロボタクシーは有力な選択肢になり得ます。

 Uberが世界各地で積み重ねてきた運行ノウハウや安全管理のデータ、そしてWeRideをはじめとするパートナー企業との連携実績は、日本に最適な自動運転サービスを構築するうえで貴重なプラットフォームにもなるはずです。

 安全で信頼できる次世代インフラとして、先端のロボタクシー技術が日本の街並みとなじむ日が来ることを期待したいと思います。

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

  • 角川アスキー総合研究所

クルマ情報byASCII

ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中