スタンド付きケーブルというアイデアに惹かれて衝動買い
USBケーブルが誕生してから約30年が経過した。かつては「つながれば良い」「充電できれば十分」だった存在も、近年は転送速度や給電能力といったスペック競争が極限まで進み、さらに最近では色や形、使い勝手といった“遊び”の要素が加わり始めている。
昨年末、ネット上で見つけて米国から衝動買いした折りたたみ式のT型スタンド付きUSBケーブルも、まさにその文脈の産物だ。
運悪く年末年始の輸送混乱やトラブルで最初の発送分は紛失扱いとなり、2度目は香港から再出荷され、2月初旬にようやく到着した。パッケージには「PD240W対応」「E-marker搭載」「MFi-Certified Cables」など、転送速度以外は全部載せの勢いである。購入価格は輸送保険+送料込みで40.88ドル(PayPal支払いで約6700円)。入手が遅れた分、現在ではAmazonや楽天でも“そっくりさん”が増殖している。今回は実際にテストして使ってみたので、その顛末をご紹介したい。
イメージ的には、従来からあった「充電時のUSBケーブルを90度曲げるアダプター付きケーブル」に近い。違いは、そのアダプター部を幅広くし、左右に大きく広がる2つのスタンド脚を内蔵した点だ。両脚を使えばスマホを縦置きに、片脚だけなら横置きもできる。発想は悪くない。
米国からの到着を待っている間に、筆者は我慢できずtemuでもよく似た商品を追加注文してしまった。丸い矢印マークがあるのが米国から購入したモデルで、temu版と細部は多少異なるが、ほとんど同じである。
temu版はスタンドが硬めで、展開に少し力が要った。どちらが良いというより、ロット差の範疇だろう。ただし実用上、スマホの重量や角度によっては転倒することがある。土台がケーブルの途中にある以上、机上での取り回しや重心には限界があるのだ。
不安を感じる刺さり具合 変な壊れ方をする可能性がある!?
さらに気になったのが、Type-Cプラグの“刺さり具合”だ。現実のスマホはケース装着でポートが奥まることが多い。ところが本製品は、ケースやバンパー形状によってはプラグが届きにくく、接続が甘くなるケースが出る。これは地味だがストレスになる。
そして、筆者が最も強く違和感を覚えたのがここからである。このアイデア、脚を回転させて広げる時に、中央にあるType-Cプラグを“ねじる”感覚があり、ポートに物理的ストレスがかかる。両方の脚を同時に広げる動作は、レンチでポートをねじっているような印象だ。
USB Type-Cは抜き差し方向の力には配慮されているが、回転トルクを前提にした構造ではない。日常的にこの動作を繰り返せば、ポート内部の接触不良や半田クラックなど、嫌な壊れ方につながる可能性がある。筆者はこの点が、性能以前に“設計思想として危うい”と感じた。

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