このページの本文へ

NTT-MEが装置を設置、提供する“レディメイド型ネットワークサービス”

主要データセンター間をIOWN APNで接続 NTT-ME「JPDC All-Photonics Connect」発表

2026年02月02日 16時45分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 NTT東日本の100%子会社であるエヌ・ティ・ティ エムイー(NTT-ME)が、IOWN技術を活用したデータセンター間ネットワークサービス「JPDC All-Photonics Connect」を、2026年1月30日から提供開始した。

 同サービスは、NTTグループが推進しているIOWN構想のオールフォトニクスネットワーク(APN)技術を活用したもので、NTT-MEが保有する光ファイバー網などを使い、データセンター間を高品質/低遅延で接続する。まずは東京都内の主要データセンター間でサービス提供を開始し、2030年度には年間5億円規模の収益を目指すという。

 NTT-ME 通信キャリア&データセンタービジネス部の星拓磨氏は、同サービスの特徴を「IOWN APNを活用して事業者間のデータセンターを接続する“レディメイド型ネットワークサービス”であり、国内初の取り組み。短納期での提供や多様なニーズにも柔軟に対応できる」と説明した。

NTT-ME「JPDC All-Photonics Connect」の概要

NTT-ME 通信キャリア&データセンタビジネス部インフラプロデュース部門インフラシェアリング担当の星拓磨氏

IOWN APNを用いたデータセンター間の接続サービス、「割安」を強調

 JPDC All-Photonics Connectは、データセンター間をつなぐ拠点間接続サービスだ。JPDCは「Japan Premium Direct Connect」の略称であり、NTT-MEが展開するデータセンター関連サービスを総称するブランドとなっている。

 同サービスでは、接続拠点となるデータセンターにNTT-MEがネットワーク装置を設置し、自社設備サービスとして提供する。現在は10Gbps/100Gbpsの接続帯域(10GBASE-LR/100GBASE-LR4)をラインアップしており、将来的には顧客の要望に応じて400Gbpsの提供も検討していく。

 高品質な通信環境を提供するため、帯域保証や、障害発生時に影響を最小限に抑止するリンク断転送などの機能を備えるほか、24時間365日の監視/保守体制を敷く。さらにオプションとして、NTT-MEの池袋DCにおけるハウジングや構内配線も提供する。

 JPDCサービスが解決する課題について、NTT-MEの星氏は次のように説明する。

 「AIおよびクラウドの普及により、データセンター間通信が増加する一方、都市部での電力逼迫と災害発生時の分散化の観点から、データセンター間ネットワークの強化が求められている。また、異なるデータセンター事業者間での接続においては、設備仕様や契約体系の違いにより、調整負荷などの課題が発生していたが、これも解決できる」(星氏)

 ネットワーク装置はデータセンターに設置済みのため、申し込みから最短1カ月でサービス利用が可能になる。価格については「多数のお客様の利用を想定しており、NTTグループのなかで提供している価格よりも割安になる」(星氏)とした。

北海道・石狩のコンテナ型AIデータセンターとも接続を計画

 JPDC All-Photonics Connectは、開始時点では東京都内にあるアット東京(CC1)、ブロードバンドタワー(新大手町サイト、第1サイト)、NTTデータ(大手町DC)、エクイニクス・ジャパン(TY4)、NTT-ME(池袋DC)の各データセンター間を接続する。さらに今後も、都内にある他のデータセンターに拡大していく。

 加えて、2026年度後半には、東京エリアとデータセンター集積地との長距離区間の接続を進め、需要の高いエリアのデータセンター間にも展開を広げる方針だとした。

 NTT-MEでは、2025年10月にコンテナ型データセンター事業への参入を発表し、その第1弾として、北海道石狩市に「JPDC AI Container@石狩」の構築を進めている。今回の発表では、このAIデータセンターと首都圏などの主要データセンター群を、JPDC All-Photonics Connectで直結する考えも示した。

石狩コンテナ型データセンターと首都圏データセンターの接続イメージ

 また、今後は自社設備サービスに限定せず、他社設備サービスも組み合わせた最適な形で提供していくという。星氏は「『トータルコーディネーター』としての役割を果たし、柔軟なメニュー設計と迅速な提供を追求する」と述べた。

 「広範なユースケースにおいて、高品質で低遅延のネットワークサービスを安定的に提供することができる。今後も、AI・クラウド時代のデータセンター間通信の基盤として、お客様の多様なニーズに応えるデータセンターインフラの進化を目指す」(星氏)

 なお、今回JPDC All-Photonics Connectで接続されるデータセンター各社は、次のとおりコメントしている。

・アット東京:「アット東京のデータセンターで作り上げた価値を、NTT-MEとともに届け、日本のビジネスの発展に貢献したい」

・エクイニクス・ジャパンで:「爆発的なデータ流通量の増加を背景に、データセンター間をつなぐネットワークの超低遅延化や大容量化は不可欠な要素となっている。TY4を含む、都内主要データセンター間の相互接続性を飛躍的に高めることを確信している。次世代インフラとしての柔軟な選択肢を提供することができる」

・ブロードバンドタワー:「APNを活用し、事業者の垣根を越えたデータセンター間接続を、高い品質で実現する点に大きな価値がある。お客様は、複数のデータセンター事業者を組み合わせた分散構成においても、あたかも単一基盤のような運用感で 、AI・クラウド環境を設計、運用できる。ネットワーク制約を意識せず、立地やサービス特性を柔軟に選択できる環境は、お客様のシステム設計の自由度と事業スピードを大きく高めることができる」

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所