JR西日本で見かけるロープ柵
JR大阪駅など、JR西日本のホームでは、支柱の間にロープが張られたホーム柵を見かけることがある。
これは、同社が2016年頃から設置を進めている「昇降式ホーム柵」と呼ばれる安全設備だ。久しぶりに関西圏を訪れた人は、列車の到着に合わせて「グイーン」と上にロープが持ち上がる動作に、驚くかもしれない。
ところで、なぜ金属や樹脂製の自動ドアタイプの柵ではなく「上下するロープ」なのだろうか? 実は、このロープタイプの昇降式ホーム柵には、深い工夫が隠されている。
合理的で機能的な昇降式ホーム柵
自動ドアタイプの可動式ホーム柵は、列車の扉位置に合わせてピッタリ設置されるのが基本である。線路への立ち入りを防ぐ効果は高いが、扉位置が柵と正確に合う車両にしか対応できない。また、ドア部分を広く作ることにも限界がある。ドアを支柱に収納する必要があり、さらに面積が広すぎると、風圧の影響も受けやすくなるためである。
これに対して、昇降式ホーム柵は、支柱間に比較的広めにロープを張り、上下に昇降させる構造を持っている。電車のドア位置が“ロープの範囲におさまる限り”は、ホーム柵としての役割を果たすことができるのである。
さまざまなタイプの列車が停まっても、安全策としての役割を保てる柔軟性が、このロープ柵の大きな特徴だ。実際に電車が止まっているところを見ると、ロープの範囲内で列車のドア位置が微妙に異なることが分かり、その意味が直感的に理解できる。
JR西日本の公式サイトにも、「従来の可動式ホーム柵では扉位置が異なる列車には対応できないため、一定間隔に配置した支柱間にロープの柵を設け、上下に昇降させる昇降式ホーム柵の開発を行いました」と記載がある。
同社の2025年の発表によれば、この昇降式ホーム柵は、2024年時点で、六甲道駅、高槻駅、大阪駅、三ノ宮駅、神戸駅、明石駅、京都駅などに導入されているようだ。JR西日本の電車に乗る機会があれば、持ち上がるロープの動きを眺めつつ、その合理的な設計に注目してみよう。










