千葉大学予防医学センターの中込敦士准教授らの研究チームは、2025年1月に実施した日本全国の成人1万4721人を対象とするインターネット調査データを分析し、会話や情緒的サポートを目的とする「AIコンパニオン」の利用と主観的ウェルビーイングとの関連を検討した。
調査の結果、AIコンパニオン利用者は、人生満足度や幸福感、人生の目的といった指標が、非利用者よりもわずかに高い傾向を示した。一方で、検索や要約といったタスク中心の生成AI利用では、ウェルビーイングとの明確な関連は確認されなかった。
調査によれば、こうした効果は誰にでも同じようにあらわれるわけではない。孤独感が強い人ほど、AIコンパニオン利用と人生満足度や幸福感、人生の意義との正の関連が強くなる傾向がみられるという。さらに友人とのつながりが「中程度」の人で関連が最も強く、極端に少ない人や非常に多い人では弱まるという逆U字型のパターンも示された。現実の人間関係がある程度あるものの、満たされきっていない層にとって、AIコンパニオンが補助的な心理的支えになっている可能性がある。
一方で、家族とのつながりの強さによって関連が大きく変わることは確認されなかった。研究チームは、AIコンパニオンが単なる作業効率化ツールではなく、特定の条件下で感情面や心理社会面を支える「デジタルな心理社会的支援」となりうるとする。
ただし、今回の研究は一時点のデータを用いた横断研究であり、AIコンパニオン利用が幸福感を高めたのか、幸福感の高い人が利用しやすいのかといった因果関係は明らかではない。また、利用者数が比較的少ないことや、アプリごとの差異を分析できていない点など、今後の課題も残る。
調査対象は18歳から79歳までの成人1万4721人で、AIを利用していない人、検索や要約など実用目的で生成AIを使う人、そしてAIコンパニオンを利用する人に分類されている。







