GPUボックスは性能とロマンを追加できるアイテムだ!

どこでも持ち運べるゲーミングUMPCの可能性感じた! ROG Xbox Ally XとGPU内蔵ドッキングステーションで広がるPCの世界

文●タカフグ 編集●ASCII

提供: ASUS

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ベンチマークでパフォーマンスを検証

 では実際にROG XG Mobileを使用することで、どれだけのパフォーマンスアップが見込めるのか。ベンチマークで試してみたい。

 前述の通り、ROG XG Mobileには、RTX 5090 Laptop搭載モデル(型番:GC34X)とRTX 5070 Ti Laptop搭載モデル(型番:GC34R)の2モデルがある。どちらもモバイル向けGPUなので、同名のデスクトップ向けGPUよりパフォーマンスは出ないものの、モバイル向けとしてはハイエンドな構成だ。

 特にRTX 5090 Laptopは、CUDAコア数やAI TOPSにおいてデスクトップ向けGeForce RTX 5080に近いスペックを持っており、VRAMはGDDR7で24GBという大容量を誇る。コンパクトだがパフォーマンスは折り紙付きだ。

 今回は、ROG Xbox Ally Xのみの場合と、ROG XG Mobile GC34X(RTX 5090 Laptop)およびGC34R(RTX 5070 Ti Laptop)を接続した際のパフォーマンスをそれぞれ計測した。まずは3DMarkの各テストでスコアーを計ってみよう。

ROG Xbox Ally XとXG Mobile

3Dmarkの各テストのスコアー

 ROG Xbox Ally Xが搭載するRyzen AI Z2 Extremeは、ゲーミング向けのCPUだけあって、負荷の軽いテストであれば内蔵GPUでもそれなりのパフォーマンスを発揮している。とはいえ、やはり高解像度やレイトレーシングのテストは厳しくなってくる。

 RTX 5090 Laptopを接続すると、もちろんパフォーマンスは飛躍的にアップする。Steel NomadやSpeed Wayのような高負荷なテストでは、内蔵GPUと比較して最大で9倍以上のスコアーになる。

 一方、RTX 5070 Ti Laptopのスコアーを比べると、RTX 5090 Laptopは高解像度のテストやレイトレーシングのテストで40~55%ほど高いスコアーを出しており、最上位クラスの強さが見えた。

 続いて、ゲームベンチで定番になっている「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」も試してみよう。

ROG Xbox Ally XとXG Mobile

画質「最高品質」で計測。アップスケーラーは、GeForceはDLSS、RadeonはFSRを選択している

ROG Xbox Ally XとXG Mobile

レポートデータから取得したフレームレート

 公式のスコアー評価指標では、内蔵GPUのみだと「普通」、RTX 5090 LaptopとRTX 5070 Ti Laptopは「とても快適」評価になった。意外にもRTX 5090 Laptopのスコアーが伸びず、RTX 5070 Ti Laptopとほとんど変わらない結果になったのは、GPU以外の部分がボトルネックになった可能性がある。

 とはいえ、内蔵GPUでは画質「最高品質」でのプレイはなかなか厳しかったところ、平均フレームレート100fps以上でプレイできるようになるなら十分な強化だろう。

 ここからは実際のゲームプレイでベンチマークを行う。いずれもマルチフレーム生成に対応したタイトルなので、GeForceではフレーム生成を「4x」に設定した。内蔵GPUに関しては、FSR 4によるフレーム生成を使用している。

 まずフルHD(1920×1080ドット)でテストし、RTX 5090 LaptopとRTX 5070 Ti Laptopのみ4K(3840×2160ドット)でもテストした。それぞれの検証条件で「FrameView 」を用いてフレームレートを3回検証したうちの平均値を記載する。

 まずは「モンスターハンターワイルズ」のフレームレートを検証してみた。

ROG Xbox Ally XとXG Mobile

グラフィックプリセット「ウルトラ」、アップスケーリングモード「クオリティ」。マップ「緋の森(豊穣期)」で、一定のルートを移動したのち戦闘した際のフレームレートを1分間計測した

ROG Xbox Ally XとXG Mobile

上記と同じ設定で、解像度を4Kにして計測

 モンスターハンターワイルズの場合、内蔵GPUではFSR 4のフレーム生成、GeForceではDLSS 4のマルチフレーム生成が利用できる。

 内蔵GPUが最高画質設定でも意外と健闘している点は少し驚きだが、やはりGeForce勢のパフォーマンスは別格だ。フルHDでは、RTX 5090 LaptopとRTX 5070 Ti Laptopの平均フレームレートの差は10fps程度だったが、4Kになると30fps程度まで拡大する。

 次は「Battlefield 6」でも検証してみる。

ROG Xbox Ally XとXG Mobile

グラフィックの品質「オーバーキル」、アップスケーリングの品質「クオリティー」。キャンペーン開始後すぐの、機銃付き車両で1分間移動する際のフレームレートを検証した

ROG Xbox Ally XとXG Mobile

上記と同じ設定で、解像度を4Kにして計測

 Battlefield 6では、RTX 5090 LaptopとRTX 5070 Ti Laptopの平均フレームレート差が少し広がった。また、4Kのテストではその差が顕著で、RTX 5070 Ti Laptopのほうは途中で操作困難なほどフレームレートが落ちるシーンもあった。

 マルチフレーム生成によってある程度は平均フレームレートを底上げできるものの、常に安定した動作を実現するにはRTX 5090 Laptopのパワーがないと厳しいようだ。FPSゲームではフレームレートは特に重要となるため、高負荷でも安定した動作が可能なのはうれしい。

 また、FPSゲームではマウスとキーボードで操作するほうがエイムしやすいことも多いため、デバイスを拡張しやすいROG XG Mobileの利点も生かせる。

 最後に、「鳴潮」でもフレームレートを計測した。

ROG Xbox Ally XとXG Mobile

グラフィックプリセットは内蔵GPUのみ「グラフィック優先」。他2つは「ウルトラ画質」、アップスケーラー「ウルトラ・クオリティ」。マップ「穂波」エリアを一定のルートで移動した際のフレームレートを1分間計測した

ROG Xbox Ally XとXG Mobile

上記と同じ設定で、解像度を4Kにして計測

 鳴潮の場合、条件を満たしたGPUでなければレイトレーシングを有効化することができず、最高設定の「ウルトラ画質」に設定することができない。内蔵GPUではその基準を満たせないため、内蔵GPUに関しては設定できる範囲で最高の画質にした。

 そのため内蔵GPUのほうが軽い画質設定になってしまっているのだが、それでもフレームレートの差は顕著だ。

 RTX 5090 LaptopとRTX 5070 Ti Laptopの平均フレームレートは、フルHDで20fps程度、4Kで30fps程度ついている。鳴潮のようなグラフィックを重視したRPGでは、高画質・高解像度で遊ぶことでよりゲームの景色を楽しめるため、高負荷時の安定度が高いのはうれしい。

 ゲームでの検証はここまでにして、続いてAI性能に関しても軽く検証してみたい。ここでは「UL Procyon」の“AI Computer Vision Benchmark”でAIのパフォーマンスを検証してみた。

ROG Xbox Ally XとXG Mobile

UL Procyonのベンチマークテスト「AI Computer Vision Benchmark」で計測。精度は「Float32」に設定した

 “Microsoft Windows ML”のテストで比較すると、RTX 5090 Laptopは内蔵GPUのおよそ8.5倍のスコアーになっている。また、“NVIDIA TensorRT”のテストでRTX 5090 LaptopとRTX 5070 Ti Laptopを比較すると、16%ほどの差がついた。

 近年はAIの発展が目覚ましく、さまざまな場面で使われている。クリエイティブ系のアプリなどでもAIが活用されるようになり、クリエイターにとってもPCのAI性能は重要だ。

 そういった点では、ケーブルをつなぐだけでモバイルPCでもAI性能を拡張できるROG XG Mobileの存在はありがたいのではないだろうか。

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