スペイン・バルセロナで開かれたイベント「Manga Barcelona」で掲示されたサクラクレパスの画材ポスターが、X上で波紋を広げている。ポスターには同社のロゴが入り、描かれたキャラクターの絵がAI生成ではないかと疑う声が上がった。現地のユーザーが「画材の会社がAIでポスターを作ってるなんて」と投稿すると写真が一気に拡散し、議論は国内にも飛び火した。
サクラクレパスは12月9日、公式サイトに「該当販促物についての正式見解」と題した声明を掲載し、状況を説明した。声明によると、問題の販促物は同社グループ会社が海外イベント向けに展示したもので、12月8日から事実確認を進めている最中だという。同社は「多くの方々にご不快をおかけし、またご不信を招く結果となりました」と謝罪した。
社内調査の段階で、ポスターに使われたイラストには複数の不備があったことが判明した。ロゴマークが同社の表示規定に反していたほか、PIGMA MICRONやGELLY ROLLといった商品のイラストが実際のデザインと異なっていたという。サクラクレパスはこうした点を重く見て、該当販促物の使用停止と撤去を求め、すでに現地で対応が進んでいるとした。
また、制作や発注に関わったグループ会社に対して詳細な調査をしており、内容を精査した上で必要な措置を取る方針だ。調査結果や再発防止策については、まとまり次第公表するとしている。
AI生成疑惑そのものについて同社は声明で直接触れていないが、ロゴや商品描写の不正確さが確認されたことで、制作過程を含む事実関係の解明が今後の焦点となりそうだ。







