ほぼキャッシュレス時代がやってきたはずの2025年末
それでもやっぱり最低限の現金は常備するしかない
キャッシュレスが社会の主役になるまで、あと一歩だと思ったのは2018年末のことだった。大型家電をPayPayで購入して5万ポイントを獲得し、勢いよく「現金不要時代」へ踏み出したのもその頃の話だ。
その後しばらくは加盟店の急増も追い風になり、「いずれ財布を持たない生活が当たり前になる」と本気で信じていた。しかし手数料有料化の波が訪れ、キャッシュレス非対応店が再びジワジワと増えてきた。
筆者が年1~2回開催しているフリマでも、PayPay決済は浸透しつつある一方、筆者好みの店はなぜか現金オンリーのことが多い。欲しいものに出会った瞬間に購入完了まで走り切りたい筆者にとって、この「キャッシュレスだけでは詰む」問題は、現在も小さくないストレスになっている。
そうした状況でも、筆者の生活スタイルの主役はキャッシュレスである。クレジットカード、スマホによるおサイフケータイ、PayPay、EVERING、Galaxy Watch Ultraなど、ほぼ考えうるキャッシュレス手段はすべて導入済みだ。
ただ、それでも年に数回は「よりによってそこだけ現金!?」という店に遭遇する。衝動買いを戦略としている筆者にとって「明日また来ます!」や「ネットで探して買おう!」は敗北宣言に等しく、最低限の現金を常備するしかないという結論へ至った。
現金をできるだけ手ぶらな状態で持ち運ぶ状況を求めて
さまざまな財布を試し倒す
そこから財布探しの長い旅が始まった。大きな二つ折り財布、分厚い小銭入れ、カード特化財布、キー一体型ケース、そして流行りのジップロック財布まで、20種類以上を来る日も来る日も実際に試し倒した。
結果たどり着いたのはクレカ1~2枚+紙幣数枚+少量の小銭+自宅用NFC鍵が入り、ポケットを膨らませないミニマム財布だった。サラリーマン時代のヴィトン長財布の出番は、原稿用写真撮影時の比較としてだけだ。
しかし「なるべく手ぶらで出たい」。この煩悩が繰り返し繰り返し、あまり大きくない脳内で再燃するのが筆者の宿命である。そこで発見した第二章はベルト財布だった。キャッシュレス世界で滅多に使わない紙幣の“最後の避難所”として機能し、財布を忘れても最悪の事態を回避できる。だが、この発想すら越えてきたのが今回のジッパー付きセキュリティポーチソックスである
見た目は普通の靴下だが、足首近くにポケットがある
本製品、一見ただのロングソックスだが、足首近くにカードが入るジッパー式ポケットを備える。容量はクレカ1枚、紙幣2~3枚なら余裕。当然、キャッシュの取り出しはベルト財布よりもスピーディーだ。旅行用のセキュリティギアを連想させるが、日常の「保険としてのキャッシュ」にも極めて相性が良い。価格は購入時800円、現在405円。まさに衝動買い待ったなしのプライス帯だ。
気になる弱点は2つ。まずサイズ展開が1サイズのみで、筆者のような太めの足には若干窮屈。次に靴下という性質上、ベルト財布のように毎日使い回すのは難しく、最低でも2日に1回の交換が必要だ。
とはいえ「身に着ける財布」というコンセプトは想像以上に合理的で、一度使うとクセになる。1週間分の買い足しを迷っている筆者は、今まさに静かな悪あがきの最中である。

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