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αでは初のAIなWBにAFも全自動認識になりました

超速素子にAI満載でα1に近づいた最強の普及型フルサイズカメラ「α7V」発表=実機をα7IVと比べてみた

2025年12月03日 00時01分更新

文● みやのプロ(@E_Minazou)編集● ASCII

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 ソニーは12月2日に、フルサイズミラーレスカメラの新モデル「α7Ⅴ」を発表した。

「α7V」を発表

 「α7Ⅴ」は撮像素子に新しい部分積層型センサーを、画像処理エンジンにはAIプロセッサーを統合し、高速連写が可能となったのが特徴で、ボディ価格は41万6900円で12月9日予約開始、12月19日発売の予定だ。

 同時に標準ズームレンズ「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS II」も発表、価格は4万3000円で2月13日発売予定だ。このレンズとα7Ⅴとのキットは44万円で春以降発売となる。

「α7V」を発表

画素数は3300万画素で変わらないが
センサーもエンジンも刷新し
α1Ⅱ同様の秒30コマ連写に対応

「α7V」を発表

 搭載する撮像素子は新開発の部分積層型CMOSで、画素数は先代のα7Ⅳと同じ3300万画素だが、ダイナミックレンジは15stopsから16stopsに向上し、より白飛び、黒ツブレを予防できる。

 画像処理エンジンのBIONZに、最近のαに投入されている「AIプロセッシングユニット」を統合した「BIONZ XR2」を搭載する。統合により、省電力・高演算・高速性能と高性能AIAFを両立する。

 α7Ⅴでは、AF/AE演算を毎秒60回実現、AF追随は最高秒30コマを実現している。人物の認識はⅣの瞳・顔のみから、頭部や動体も認識し、顔が隠れてもAFを継続できる。

 AI認識ではクルマ、列車、飛行機、昆虫が増え、「オート」でこれらをすべて自動判別することもできる。

「α7V」を発表

写真左が「α7Ⅴ」、右が先代の「α7Ⅳ」、基本デザインは変わらない

「α7V」を発表

「α7Ⅴ」(左)では「α7Ⅳ」より背面の液晶ディスプレーが大きくなった

「α7V」を発表

ボディー上面のデザインも、ⅤとⅣのロゴの違いくらいだ

 部分積層型CMOSは、α1Ⅱで実現した全面積層型ではなく、センサーの上下の一部を積層型とし、読み取り速度の高速化と低コストを実現したものだ。

 これにより、AE/AFありでの最高連写速度をα1Ⅱと同じ毎秒30コマまで向上。AI認識、ブラックアウトフリー、幕速の向上を実現している。

「α7V」を発表

 高速化によりRAW記録形式の種類も簡素化され、α7Ⅳの5種類からⅤでは3種類となり、全形式で毎秒30コマ、14bitで保存ができる。

 α7では初のプリ撮影と連写ブーストも可能になり、0.03~1.0秒のプリキャプチャーと、カスタムボタンでの押してる間のみのブーストが可能だ。

 背面モニターはバリアングルから4軸マルチアングルになり、左に開かずに上下に開けるようになった。また、3型103.7万画素から、3.2型209.5万ドットに大型化と高精細化を果たしている。

「α7V」を発表

「α7Ⅴ」では4軸マルチアングルになり、左に引き出さないで上下ティルトができるようになった。

「α7V」を発表

これはともにα7Ⅴで、上向きは水平まで動くが(左)、下方は45度くらいまでしか動かない。左に引き出せば360度回転する。

「α7V」を発表

前向きに回転すれば、モニターしながら自撮りもできる。

 ボディーデザインはほぼ同じだが、グリップ形状が変更されたほか、前面の「7」のロゴがはめ込み式から、直接掘り込み式になった。重量は658gから695gへと37g重くなっている。

「α7V」を発表

グリップは微妙にデザインが変わった

「α7V」を発表

前面の「7」の部分が、はめ込みから(写真奥)、直接の掘り込みになっている。

フルフレームの4K60P動画撮影
α初の「AIディープラーニング」WB
手ブレ補正は7.5段に向上

 動画撮影では最高で4K120Pが可能になり、α7ⅣではSuper35mmの範囲だった4K60Pが、Ⅴではフルフレームでの撮影が可能となった。最近のαシリーズと同様に、オートフレーミング、フォーカスマップ、ブリージング補正も搭載する。手ブレ補正ではダイナミックアクティブモードが可能になり、LUTのインポートもできるようになった。

 放熱も改良され、気温40°でも4K動画がⅣの10分間から、Ⅴでは60分間の撮影が可能となった。

「α7V」を発表

インターフェースはマイク、ヘッドホン、HDMI、Type-C×2を搭載。リモコンはワイヤレス(Bluetooth)だ。

「α7V」を発表

スロットはCFexpress/ SD(UHS-II)+SD(UHS-II)

 αとして初の「AIディープラーニング」によるオートホワイトバランスを搭載。シーンを認識して最適なWB値を設定する。

 手ブレ補正はα7Ⅳの5.5段から、Ⅴでは中央7.5段、周辺6.5段に向上。低速シャッターでの撮影がやりやすくなっている。

 PCアプリ「Imaging Edge Desktop」での処理が必要だが、「コンポジットRAW撮影」と「エクステンデッドRAW撮影」が搭載された。

 コンポジットでは最高16枚の画像を合成して、ノイズ低減またはHDRの画像を生成する。静物被写体で利用できる機能だ。

 エクステンデッドでは1枚のRAW画像から、拡張ノイズリダクションまたは拡張ハイレゾの写真を生成する。動きのある被写体ではこちらを使うことになる。

「α7V」を発表

「α7V」を発表

 省エネにより、静止画撮影可能枚数はα7ⅣのEVF520・液晶580枚から、Ⅴでは630・750枚が撮影可能となった。

 Wi-Fi性能も向上し、6E対応で、6GHzを内蔵、より安定したファイル転送が行える。

「α7V」を発表

 「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS II」は、レンズ構成は先代と同じで、写りは変わらないが、最高秒120コマまでのAF/AE追随が可能になり、ズーム中のAF精度の向上、ブリージング補正機能に対応する。

 α7Ⅴの発売に合わせ、レンズ同時購入キャンペーンを実施する。期間は12月9日から3月23日購入分で、応募は4月7日まで。α7Ⅴと対象レンズを購入すると、最大3万円がキャッシュバックとなる。レンズは1機種で1台までと制限があるが、別モデルなら何本でも応募可能だ。

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